静岡県知事、菅総理批判の教養発言を撤回「事実認識が不正確で間違いだった」

午前11時、県議会最大会派・自民改革会議の3役が知事室に入りました。川勝知事に慎重な発言を求める抗議文を提出する目的です。

申し入れは非公開でしたが、知事の発言は「個人への侮辱」、「学歴への差別もとれる」などとして発言の撤回を求めました。

自民改革会議 中沢公彦幹事長:「(知事は)事実誤認があった。だから間違った発言だった。菅総理には申し訳なかったということ」

きょうの会見自民が問題視したのは、日本学術会議の任命拒否問題をめぐり川勝知事が7日の定例会見で口にした言葉です。

川勝知事(7日):「菅義偉という人物の教養のレベルが図らずも露見したということではないか。学問された人ではないですね。単位を取るために大学を出られたのだと思う」

さらに、この5日後、知事は発言を撤回する必要はないと強調しました。

川勝知事(12日):「訂正する必要は全くないと思っています。菅総理の経歴を見ると、学問を本当に大切にしてきた形跡が見られない」

県によりますと、こうした発言に対し、きのうまでに県庁には電話やメールで1238件の問い合わせがきています。県外からのものも含まれていますが全体の8割以上が知事に批判的な内容です。

自民は苦言「確信犯的にやっているのか」

自民の抗議文を受け取った川勝知事。一連の発言を撤回し、謝罪しました。

川勝知事:「基本的に事実認識が間違っていたと私が(自民に)申し上げた。
1つは学歴について正確でなかったことがある。学歴編重主義、学歴を問題にしたということではなくて学問を大切にしなければいけないと言ったが、それは学歴のところが表に出て県民も大変心配したということで、しかも事実認識が不正確であったということでその部分は間違いですから撤回するということです」

今回の発言は、あくまで事実誤認だったと主張する川勝知事に自民は苦言を呈します。

自民改革会議 中沢公彦幹事長:「とにかく刺激的なことを確信犯的にやっているのか、それとも自分が話しているうちに、エキサイトして言ってしまうのかは本人にしかわからないが、マスコミや県民を煽るような革新的な刺激的な話をするなら無用なことはさけるべきだし、それによって本質的に取り組まなければいけないことが、後回しになってしまうのは愚の骨頂だ」

川勝知事:「全て広く会議を起こし、万機公論に決すということでやってきた。そういうことで間違ったことは、自分のいわば人格をかけて批判をするというスタンスに変わりはない」

画像: 菅義偉総理への批判で発した「教養発言」を撤回する静岡県の川勝平太知事

菅義偉総理への批判で発した「教養発言」を撤回する静岡県の川勝平太知事