発熱後も勤務…伊豆の国市の病院クラスターに入院患者も加わり 静岡県「院内感染」と認定し、「すごく遺憾」

 静岡県伊豆の国市の順天堂大学静岡病院で拡大しているクラスター。関連する感染者は、3日までに21人に広がっています。

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 このうち医師や看護師ら医療関係者が20人、そして、きのう初めて入院患者1人の感染が確認されました。静岡県は、この高齢の入院患者について、「院内感染」と認定しました。

静岡県疾病対策課 後藤幹生課長(3日):「21日から30日の間に感染したということが考えられる。その間、院内にずっといたと、入院中ということなので、院内感染となると思う」

 この入院患者は、すでに感染が判明している医師と1分程度、会話していたということですが、お互いにマスクを着けており、県は感染経路は特定できていないとしています。

Q .マスクを着けていても感染のリスクはある?

後藤課長:「対面した場面が感染の場面だったのか、それ以外も接触感染等、様々な感染の経路はあるので、そこを調査している」

Q. 病院も県も患者の感染の可能性は低いと言っていたが、患者に感染したことの受け止めは?

後藤課長:「すごく遺憾というか、残念に思っています。幅広く入院されている患者に対して、PCRの検査を検討していくことになると思う」

 順天堂大学静岡病院では、「患者に濃厚接触者はいない」と判断してきたため、これまで医療関係者約150人にPCR検査を実施してきましたが、入院患者は対象に入っていませんでした。今後、すべての入院患者の調査を行うということですが、この対応の遅れが、感染拡大につながる可能性はないのでしょうか。

後藤課長:「入院患者等に感染の確認の検査を行っていくことになれば、拡大する可能性はあるが、基本的に発症している方はすでに調べていると思うので、大人数が見つかるという可能性は低いと考えている」

発熱後も勤務… 県「こうしたことがないよう伝えた」

 一方で、県は、感染を広げたとみられる医療関係者の行動や、病院が記者会見をまだ1度も開いていないことについて、苦言を呈しました。

Q なぜ医療関係者間で拡大しているのか、どういう防止策が不十分だったのか、課長の見解があれば教えてください

後藤課長:「もっぱら飲食を伴う会合での感染の拡大を考えている」

Q 発熱後も勤務していた関係者がいるということだが?

後藤課長:「こういったことがないように、今後は注意していただきたいということは、保健所から病院には伝えてある」

Q 病院から直接的な説明もなく、ホームページの発表のみにとどまっている。県からも病院からも情報が少ないと感じている市民もいて、不安が広がっていることをどう感じているか?

後藤課長:「保健所を通じて、病院には情報提供をお願いしているところ。原則的には、病院内で起こっていることを説明するべきだと考えている。分かりやすい言葉で説明するべきだと。医療機関はすべからく住民の健康、安心安全を守る施設と考えているので、やはりできる限り早く正確な情報提供をお願いたいと考えている」

浜松市では「市中感染」か

画像: 浜松市では「市中感染」か

 県内では、先月末から新型コロナウイルスの感染者が急増しています。浜松市では、きのう8人の感染が確認され、このうち7人が経路不明でした。市の担当者は「市中感染が起きていることも否定できない」としています。県も、厳重な警戒を呼びかけました。 後藤課長:「10月の末からの県の発生状況を見ても、11月が特に要注意の月になる。11月が結構正念場になるのではないかと。県民の皆様方は11月から正月を越すまでの間に、よりいっそう感染のリスクの高い状況を避けていただくことをお願いしたい」