【新型コロナ】静岡県内の病床使用率は過去最多56%…県「うなぎ上り。完全にひっ迫している」

 感染者の急増が止まらない静岡市。11月30日は葵区の接待を伴う飲食店で新たなクラスターが発生しました。

画像: 【新型コロナ】静岡県内の病床使用率は過去最多56%…県「うなぎ上り。完全にひっ迫している」

静岡市会見(11月30日):「葵区の接待を伴う飲食店でのクラスター。女性スタッフが客のテーブルについて接客する店。カラオケもある。従業員17人の陽性が判明したため、クラスターとした」

 この店では従業員38人中、17人が感染したということです。来店客の名簿があることから、店名を非公表とし、今後、名簿にある客96人の検査を進めるということです。

静岡市会見:「経営者の同意が得られないため、店名は非公表。ただし、いただいた名簿以外からの陽性者または利用客が判明したら、公表の公表をさせていただくということで、言ってある」

Q. 条件だった場合は、店の同意がなくても公表する?

静岡市:「そうです。相手にも伝えている」

 静岡市では、接待やカラオケを伴う店でのクラスターが多発していますが、この店の感染症対策はどうだったのでしょうか。

静岡市会見:「マスクはなしでの接客もしていた。多くの客がマスクしていなかった。不十分な状態。また、換気も入り口と窓が一つあるだけで不十分。従業員の休憩室が狭く、こちらも換気の悪い状態で、マスクなしでの休憩もとっていた」

 静岡市の累計感染者は、12月1日の発表分で524人となり、浜松市の511人を超えて、県内で最多の自治体になりました。

病床使用率 静岡県中部は70%超 「ひっ迫」

画像: 病床使用率 静岡県中部は70%超 「ひっ迫」

 静岡県によると、県内のコロナ病床の使用率は、静岡市を含む県中部は70%を超えたといいます。伊東市や富士市でクラスターが相次ぐ県東部も60%を超えています。一方、7月の“第2波”で感染増の中心だった浜松市を含む県西部は現在は40%を下回っています。県全体の病床使用率も、きのう時点で56%となりました。

静岡県会見(11月30日):
Q. 病床占有率、56%は過去最多?

静岡県:「一番高い。うなぎ上りになっている。完全にひっ迫している状況。瀬戸際まで来ている」

 「瀬戸際」という医療状況を受け、30日夜、県の専門家会議が開かれました。

静岡県疾病対策課 後藤幹生課長(11月30日):「軽症、中、重症の機能分化をしたり、症状が改善して軽症の病床に移すとか、現在の病床を有効活用することを進めていくことで、質をうまく調整しながら有効活用していく」

 また、会議は、県内の感染状況について、国の基準「ステージ2」に据え置くという判断が示されましたが…。

静岡県疾病対策課 後藤幹生課長:「現状はステージ2にぎりぎりとどまっているが、病床がひっ迫してきているので、感染者が止まらないと、短い期間でステージ3、専門家会議で議論することが近いのではないか。ステージ2と3ではGOTOトラベルが外れるとか、教育現場への影響大きい」

 このままの状況が続けばGOTOトラベルの除外や飲食店の時短要請、学校の部活動の短縮なども検討される「ステージ3」への早期引き上げもありうるというのです。

 県は2日、県医師会の幹部らが参加する会議を開き、コロナ病床の確保や病院の役割分担などについて協力を求める方針です。

     (12月1日放送)