【新型コロナ】食い違う言い分…静岡市「強く原則公表求める」 クラスター発生の会社「御社に任せると」

 静岡市駿河区にある「不二電子工業」。自動車の電子部品などを製造している会社です。不二電子工業の木村保社長が静岡朝日テレビの取材に答えました。

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不二電子工業 木村保社長:「近隣の皆さんに、過度な不安感をいただかせることはないのではないかと、正直に公表した方が逆に信頼を得られるのではないかと考え、今回公表することにした」
 
 不二電子工業の本社工場では、先月21日に最初の感染者が確認され、12月7日に5人目の感染者が確認されたことで、市内15例目のクラスターと認定されました。

静岡市会見(7日)
「当然、市民の払しょくという意味では公表する方がいいから、強く原則公表を求める」

 市民の不安を払しょくするため、公表を強く求めるとした静岡市。企業名公表をめぐる、市との実際のやり取りはどんなものだったのでしょうか。

不二電子工業 木村保社長:「公表するかしないかは御社に任せますと。市からは御社の意向を尊重しますと言われた」

 市から公表は強く求められず、あくまで企業側の判断に任され、「強く公表を求める」といった対応ではなかったといいますが、社長は自ら公表する選択をしました。

不二電子工業 木村保社長:「公表すべきというニュアンスではなかったと思っている」

 ただ、企業名公表により、社員やその家族にマイナスの影響も10件以上あったといいます。

不二電子工業 木村保社長:「よく公表したと励ましの温かい言葉も多いが、病院の通院を遠慮してほしいと言われたり、従業員の子どもの登校を遠慮してほしいと。社内で苦労しているが、受け入れる方もガイドラインがないことで、疑わしきは遠慮してくださいと。(心境は)何となく分かるような気がする」

静岡市「公表してよかった、と肯定的な意見多い」

きょうの会見で田辺市長は…。

画像: 静岡市「公表してよかった、と肯定的な意見多い」

静岡市 田辺信宏市長(10日午前11時)
「公表してくれてよかったという肯定的な反応の方が多いです。誹謗中傷をする人を最小化するためには、どうしたらいいのかというのが、これからの課題」

 不二電子工業では工場内の消毒を行い、関係する従業員70人の検査実施。全員の陰性が確認されています。今後は、これまで以上に感染防止対策に力を入れていくとしています。

不二電子工業 木村保社長:「やはり、緊張感が緩んだのかなと」

Q.5、6人で密な状態で(昼食を)食べてしまったりとか?

不二電子工業 木村保社長:「そうですね。そういう例も確かにあった。(今は)食事中はあまり話をしない、食事が終わったら、すぐマスクを着けて席を離れるというお願いをしてる。手洗い、消毒、3密などはこれからも徹底しようと思っている」