森会長辞任に自転車競技開催の伊豆では惜しむ声も 「女性蔑視」発言には厳しい声

 12日、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が、辞任を表明しました。
森喜朗会長:「きょう(12日)をもちまして、会長を辞任しようと思っている」

森喜朗会長が辞任、後任は一転白紙に

画像: 森喜朗会長 12日

森喜朗会長 12日

 後任にはJリーグの「初代チェアマン」川淵三郎氏を起用する案が、浮上していましたが、12日、川淵氏は「会長就任の要請を辞退する」と話していることが判明。現段階では「白紙」の状態です。

辞任の引き金は「女性が多い会議は時間がかかる」発言 女性蔑視と批判

 そもそも、森会長が辞任する「引き金」となったのは、3日の、この発言。 森喜朗会長:「女性理事を選ぶというのは、日本は文科省がうるさく言うんですよね。女性がたくさん入っている理事会は、理事会の会議の時間がかかります」

 こうした発言が、「女性蔑視ではないか」と批判が殺到。翌日、森会長は、自らの発言を謝罪し、撤回しましたが、「進退」については…。

森喜朗会長:「辞任する考えはありません。皆さんが邪魔だと言えば、おっしゃる通り老害が粗大ごみになったのかもしれませんから、そしたら掃いてくれればいい」

 と、「この時点」では、会長職にとどまる考えを示しました。

20年来の付き合いの川勝知事は「森氏らしくない」

画像: 静岡県 川勝平太知事 9日

静岡県 川勝平太知事 9日

これに対し、川勝知事は…。

静岡県 川勝平太知事:「森喜朗氏とは20年来の付き合いがある。今回の発言は森喜朗氏らしくないと思いました。女性蔑視する人ではないということは、私の知る限り20年来、長い付き合いをしてきた1人として、どこに出しても恥ずかしくない方と思っている」

県民からは厳しい声

画像: 県民からは厳しい声

 しかし、静岡県民の声は、厳しいものばかりでした。

静岡市60代女性:「女性蔑視も甚だしい。即辞めていただきたい。もっと若い人を登用してほしい」

裾野市60代男性:「いろんな批判が出て、謝罪するというのは本当に見苦しい。辞めて他の人にやってもらった方がいい」

自転車競技開催の伊豆では…

画像: 自転車競技開催の伊豆では…

 一方で、森氏の会長辞任を惜しむ声も…。 中野結香アナウンサー:「東京オリンピック、パラリンピックの自転車競技が開催される伊豆市に来ています。森会長は自転車競技の伊豆での開催に尽力した人として、辞任を惜しむ声も聞かれます」

 2015年12月、自転車競技の開催地が、伊豆市にある「伊豆ベロドローム」に決まりました。

 森会長は「自転車競技の伊豆での開催に尽力した人物」とも言われています。去年8月には、伊豆ベロドロームで行われた代表内定選手の激励会に出席していました。

 伊豆市内のレンタサイクルの店では…。

レンタサイクル店代表の男性:「伊豆ベロドロームでのオリンピックを誘致してくれたというのは森さんの力が強いと思う。ここまで頑張ってきてくれて、ひと言で辞任というのは非常に残念」

 伊豆の国市にある、自転車好きの人のためのホテル「コナステイ伊豆長岡」では、大会期間中に宿泊を希望する人からの問い合わせが増えていると言います。

コナステイ伊豆長岡 大嶽龍太郎社長:「自転車競技が、この地域で行われるということは、森さんの尽力があってのこと。そこは感謝している。後を引き継ぐ方が、この地域での自転車競技をしっかり開催してほしい」

森喜朗会長(12日):「大事なことはオリンピック開催。私がいることが妨げになることは、あってはならない」

川勝知事は「誘致の恩義は深い。成功に導くことが恩返し」

画像: 川勝知事(12日)

川勝知事(12日)

 もともと森会長を擁護するような発言をしていた川勝知事は、辞任表明の「一報」を聞いて…。

川勝知事(12日):「辞任表明されましたか…。森会長はオリンピックにおいて自転車競技を本県に誘致することについて、自らベロドロームに何度も足を運ぶ、あるいは富士スピードウェイが会場に決まった時も同じようにされ、テストイベントの時には最後まで、時間が延長したにもかかわらず、お帰りにならないでお務めを果たされた。その前のラグビーワールドカップの時に、自ら何度も静岡県に足を運んでいただき、その恩義は本当に深いものがある。どのように感謝を申し上げていいか、分からないくらいです。聖火リレー、オリンピック・パラリンピックを成功に導くことが、恩義に対する恩返しかなと思います」 

記者:女性蔑視発言については…?

川勝知事:「…」

画像: 川勝知事は「誘致の恩義は深い。成功に導くことが恩返し」

イベントに参加する森氏 去年8月 伊豆ベロドローム

 東京オリンピックの開幕は160日後に迫っています。           (2月13日放送)

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