海外からの観客見送りか…自転車競技開催の伊豆では「観光の起爆剤だが非常に複雑」 静岡県

 5日午後、静岡市で開かれた「オリンピック・パラリンピックボランティア研修会」。5カ月後に迫った大会に向けて、静岡県内でもボランティアの準備が着々と進んでいますが―

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Q.海外からの観光客を見送る可能性については?

参加者 10代女性:「やっぱり(外国から)大勢の方が来られた方が、すごくいいものになったと思うので、残念」

大会組織委 海外からの観客を受け入れない方向で検討

 というのも、東京オリンピック・パラリンピックの大会組織委員会が、海外からの観客を受け入れない方向で検討していることがわかったのです。

 しかし、海外の観客を受け入れない場合、収益面で大きな影響が―。
すでに海外分のチケットは約90万枚が販売されていて、これがキャンセルとなれば、大幅な収入の減少につながる可能性があります。

伊豆では「期待していたので…」

松田和佳アナウンサー:「東京オリンピック・パラリンピックについて、政府は海外の観客の受け入れを見送る方向で調整に入りました。自転車競技が行われる伊豆では、落ち込んだ観光業の起爆剤と考えていた人も多く、複雑な声が聞かれました」

 地域一体となって自転車競技を盛り上げてきた伊豆。海外から観客を受け入れないとなれば、地域経済への影響も小さくありません。

伊豆の国市観光協会 相磯和男事務局長:「海外からのお客も相当数になると思うので、期待はしていたが、現状を申しますと、オリンピックの開催を待っているというより、まず緊急事態宣言の解除を待っている。日本国内が安定する、そうでないとその後のことは考えられない。コロナ禍なので、それでも無理してまでの集客は、団体としては難しいと思っている」

 伊豆の国市の伊豆長岡温泉にある宿泊施設。海外からの観客が不在となることが濃厚となった地元での大会開催に、複雑な心境を明かしてくれました。

Q. (海外の)観光客を受け入れることに賛成反対は?

宿泊施設:「どちらともいえない。楽しんでもらいたいし、協力はしたいけど、現状で外国人を受け入れる用意もできていないので賛成反対もない」

 新型コロナが流行する前、宿泊施設では海外からの観客をもてなすため、スタッフに語学や接客の研修をしていましたが、それも去年一時停止。大会開催による宿泊需要に期待感は持っていますが、外国人観光客のことを考える段階にはないというのが率直な心境です。

宿泊施設:「感染対策をしなければならない。海外の客は言葉も習慣も労力がかかるので、想像力が追い付かない。通常の営業に戻すのが先決なので、海外客が来るか来ないかは重要ではない。インバウンドが来る以前に静岡県の人が動いて、通常になって、その次にインバウンドを考えると思う」

住民は…

 地元の人たちの受け止めも様々です。

伊豆市民50代:「非常にインバウンドに向けて、準備しているのもあったので、コロナの問題もあるので、致し方ない。やっぱりオリンピックは観光の起爆剤なので、非常に複雑だが、残念に思えるところもある」

伊豆市民60代:「海外からの客は来ない方がいい。(新型コロナが)怖い、やっぱり。経済効果はすごいあると思うが、観客は日本人だけでいいのではないか」

伊豆市民80代:「検査をして、陰性ならいいのではないか」
富士宮市民80代:「にぎやかになった方がいい」