東京オリンピック海外客受け入れ断念 自転車競技開催の静岡・伊豆市長「残念だが、大会開催に向け前進」

 海外からの客の受け入れ断念は20日、政府や東京都、国際オリンピック委員会など5者の会談で正式に決まりました。海外客の断念によって、2000億円規模のインバウンド消費が吹き飛ぶという試算もあります。

伊豆市長は…

画像: 静岡県伊豆市

静岡県伊豆市

ベロドロームで自転車競技が行われる静岡県伊豆市の菊地豊市長は…。

伊豆市 菊地豊市長:「海外の観戦客をお迎えすることは、伊豆の魅力を全世界に発信できる機会なので、受け入れ見送りの決定は誠に残念。しかし、大会開催を疑問視する声も少ない中で、非常の措置を決断されたことは、大会開催に向け、大きな前進につながると受け止めている」

お隣・伊豆の国市民は

藤井章人記者:「海外客の受け入れ断念が正式に決まり、自転車競技が開催される伊豆市の隣、ここ伊豆の国市の市民からも様々な声が聞かれました」

画像: 伊豆の国市

伊豆の国市

伊豆の国市60代男性:「仕方がないなと思いますけれど、感染が増えるのも困るだろうし、観光が衰退するのも困るでしょうけど、そこら辺はバランスとってやってもらうしかない」

伊豆の国市50代女性:「早い判断は、準備する方のことを考えると、致し方ないというのはある。できれば日本人だけでも、観戦できればと思う」

伊豆の国市60代男性:「お土産屋さん。大変、全然動かない」

 こちらの男性は、今年に入って経営する土産物店を閉めざるを得なかったといいます。

伊豆の国市60代男性:「伊豆は観光で持っているところだから、残念は残念。オリンピックが終わった後どうなるかということが不安。見てもらえれば分かるけど、誰も歩いていない。もう切実です」

伊豆の旅館「旅館文化を海外の人に伝えたかったが、残念としか言いようがない」

伊豆半島全体の観光業界が深刻な打撃を受けることは避けられません。伊豆の国市にある旅館も、海外客の受け入れ断念に落胆の色を隠せません。

旅館専務:「オリンピック向けに朝食付きや素泊まりとか、一泊二食ももちろんだが、海外の宿泊サイトでも案内していた。この伊豆地区でも、海外の方の部分がなくなると打撃はある。私たちは旅館なので、旅館の文化を海外の方に伝えられれば、それはすごくいいこと、一つのきっかけになるのがオリンピックだが、残念としか言いようがない」

 さらに懸念しているのは、「日本人観客の入場数の制限がどうなるか」です。

旅館専務:「観戦する人が少なくなる=警備員の方の数が少なくなる、そこにまつわるスタッフの方々が軽減される。そういった方々を受け入れている旅館もある。うちも問い合わせがあって、そういう方々のキャンセルは痛手」

 この旅館では、通常120人程度が宿泊できますが、コロナ禍で、現在は、80人に制限しています。そんな中で7月~8月にかけては、1日に多いときで、大会スタッフ60人分の宿泊の仮予約が入っているといいます。

旅館専務:「うちですと、1日で多いときで60人。今仮抑えされている。だから、人数制限をしているので、他のお客様をとれない。判断をしていただけないと、販売の期間の損失になってしまう」