リニア問題の主張の違いは…川勝氏、岩井氏の主張が出そろう 静岡県知事選

 知事選挙の投開票まで1カ月を切る中、出馬を予定している現職の川勝平太氏がきのう政策発表会見を開き、ようやく川勝氏と岩井茂樹氏の候補者予定者2人の主張が出そろいました。それぞれどのようなことを訴えているのでしょうか。リニア問題にはある違いが見えてきました。

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リニア問題の主張の違いは…川勝氏、岩井氏の主張が出そろう 静岡県知事選

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川勝平太氏:「知事選挙まで1ヵ月を切り、日頃コロナ対応に追われているが、自らの政策を発表する機会がきょう巡ってまいった」

 24日、自身の政策集を発表した川勝平太氏(72)。まずは、コロナ対策を最優先させるとして、検査体制の拡充や早期のワクチン接種を訴えました。川勝氏が掲げているのが、7つの重点政策、その名も「平太のレインボーマニフェスト」です。

リニア工事の主張の違い

 その最初にあげているのが、「リニア問題」です。

川勝氏:「南アルプス自体がユネスコパーク、つまり人類の共有財産なので、本当に命の水は保全できるのか、南アルプスの自然環境は保全できるのか、これを言い合うのではなく、科学的・技術的・工学的にしっかり『対話する』」

岩井氏(14日):「国交省やJRに対して柔軟に対応するというよりも、しっかり『コミュニケーションをとる』。しっかりダメなことは言いながら、向こうの話もどのようなことを言っているか聞くことにより、何か変わるのでは」

 国交省やJRとの『対話』を主張する2人ですが、そこには違いがあります。

岩井氏:「『相手(国交省)の顔が見えるからよく言える』ということもあると思うので、地域住民の声を届けることに全力を尽くしていきたい。地域の方が安心して水を使えるような努力は惜しまず、対話、感謝の気持ちを忘れず、『調整』をやっていきたい」

川勝氏:「対話というのは『皆さんの声を代弁する』ということにおいて、私は自らを律している。間違っていることをなあなあにするのが対話ではない。はっきりと間違っていることは間違っていると。相手は役職で権限を持って、実行する能力を持っている。その権限や力をごり押しして来られると抵抗しなければダメ」

 これまで築き上げた人脈と関係性を生かして対話を強調する岩井氏に対し、川勝氏は県民の声を代弁することが対話だとけん制しています。

 このほか、オリンピック・パラリンピックについて、聖火リレーや自転車競技の開催がどうなろうと、成功に向けて万全な準備で臨む考えを主張しました。

候補者の動きと支援の動きは

 候補者をめぐる周囲の動きも加速しています。

岩井氏:「連携が必要。いろいろな方と話し合って対話をして、分断をするのではなく、ともに協力をしてお互いに助け合う。私はそんな県政を求めていきたい」

 キャラバン隊の街宣活動や、街頭演説を着々と重ねる岩井氏。人口減少対策を県政最大の課題にあげ、コロナ対策やものづくり産業の支援など3つの柱を掲げています。

 県内を精力的に回る岩井氏に対し、選挙期間中も「公務に専念する」方針を示していた川勝氏は…。

川勝氏:「(有権者が)こうした形で(主張を)聞きたいと言った時に、拒む理由はない。あえてこちらから出かけて『聞いてください』ということはすべきでないと思うが、訴える中身を聞きたいという方にNOとは言えないと思っている」

 また、先週水曜日には自民党静岡支部の集会で、静岡市の田辺市長や、静岡商工会議所の酒井会頭が岩井氏にエールを送り、事実上、岩井氏支援の姿勢が鮮明となっていました。

静岡市 田辺信宏市長:「いろいろな組織に批判ばかりの方とは連携できない、というのが4年間の実感」

これに対して川勝氏は。

川勝氏:「政令市の所在地と県庁の所在地が同じということは、船頭が1つの船に2人いるようなものなので、うまくいかないことがある。信頼関係がないとうまくいかない。それがいま失われているのは非常に残念」

 一方、川勝氏の支援を決めている立憲民主党県連と国民民主党県連、そして連合静岡は、きのう3者協議を開いて戦略を練りました。

国民民主党静岡県連 榛葉賀津也会長:「大変厳しい選挙なると思う。かつての3回のようなムード選挙にはならないと思うし、本当の意味でこの12年間の川勝さんの言動が問われる選挙になる思う」

 本格的な決戦の幕開けまで残り9日。知事選は来月3日告示、20日投開票です