土石流災害…市民それぞれの思い(1) 「伊豆山地区に住んでいる同級生の顔が浮かんだ」 静岡・熱海市

 2カ月前、番組で熱海の魅力を紹介するロケを行い、いろいろな地元の方々と出会いました。

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 その時お邪魔したのは、伊豆山地区の被災したエリアからおよそ1.5km離れた市街地エリア。 少し離れた地域ですが、影響が全くなかったわけではありませんでした。

須藤誠人アナウンサー:「今、伊豆山地区の方面から自衛隊の車がやってきました。荷台部分、はみ出るくらいにがれき・土砂が載ってます」

大雨で大渋滞…フルーツゼリーを無料でドライバーに

 多くの関係車両が行きかう国道135号線。そんな道路沿いにあるのが、ロケでお邪魔したフルーツサンドとフルーゼリーのお店です。

須藤アナ:「こんにちは。ご無沙汰しております」
スタッフ 田中菜津子さん:「ご無沙汰しております。サイレンがまず鳴り響いて、消防団の人たちも招集されて、私たちも放送で知りました。今までこんな大きな災害はなかったので、まさかの出来事でびっくりしている」

 お店に直接の被害はなかったものの、土石流の影響でその日、お店の前は大渋滞。 夕方まで車がほとんど動かない状態が続いたそうです。

田中さん:「ずっと奥、見えなくなるくらいまで車がつまっていて。迂回している車もいたと思うが、その先には行けないので」

 そんな大渋滞の車を前に、田中さんたちが考えたのが…

お店のフルーツサンドやゼリーを車一台一台に無料で配ったそうです。

田中さん:「暑い、蒸し暑い渋滞の中で、のどに通りやすいゼリーは喜んでいただけた。地元でお店をやっているし、自分たちも熱海に住んでいるが、すぐ隣の地区ですし、何かできないかと思いついたのが商品を配ること」

被災者、救助隊員に定食ふるまう

 熱海・網代近海の干物を出すYoshi魚teiも、すでに被災者にできることを考えていました。

須藤アナ:「こちらはどんな状況だった?」
藤間彩花さん:「ずっと放送が止まらくて、避難してくださいという放送と携帯のお知らせの音とどんどん頻繁に鳴るようになったので、まずいかなと感じた。怖かった、どこまで来るんだろうという感じだったので」

藤間義孝さん:「大きいサイレンが2回くらい鳴った。ただ事じゃないなって、今まで聞いたことなかったので」

 熱海の惨状を目の当たりにした藤間さんは、被災した方々や救助隊員に向けて、定食やお弁当を無料で提供しはじめました。

藤間さん:「温かいごはんと美味しい食事を提供して、少しでも気を休めてもらえれば」

和菓子店の女将「異常な雰囲気だった」

  熱海で100年以上続く和菓子店『本家ときわぎ』。こちらの女将さんも当時の状況を語ってくれました。

加藤寿美江さん「サイレンが鳴りまして、今まできいたことのない異常な雰囲気だったので、怖い感じがするねと耳を澄ましてたら、伊豆山地区での土砂崩れのアナウンスがあった。伊豆山地区だと中学校の時の同級生がたくさん住んでる。まず彼らの顔が浮かんだ。すぐにメールをしたが連絡がつかず夜遅くに無事だよって」
「被災された皆さんの健康状態も心配。いろいろなストレスでお疲れかと思いますが、熱海市民、全国のみなさまも温かい気持ちをいっぱい送っているので、まず地元の私たちが被災された皆様を守っていけるような環境づくりなど一生懸命考えたい」

   (7月11日放送)