自動車学校が『無料バス』 土石流でバスが運休した団地の住民を支援 静岡・熱海市

 静岡県熱海市の土石流災害では、行政以外からも住民に支援の手が差し伸べられています。運行が止まった路線バスに代わり、自動車学校が、おととい12日からボランティアで『無料バス』の運行しています。

画像1: 自動車学校が『無料バス』 土石流でバスが運休した団地の住民を支援 静岡・熱海市

林輝彦アナウンサー(14日午後1時すぎ 伊豆山地区・県営七尾団地)
「七尾団地に到着しました。利用者の方が3人ほどいらっしゃいます。車に続々と乗り込んでいきます」

 無料バスの出発地点は、土石流の起点から東におよそ600mの県営七尾団地。高齢者が6割以上を占め、車を持たない人も多い七尾団地では、熱海駅行きの路線バスの運行停止により、買い物や病院通いなどに支障が出ていました。

 『無料バス』を運行するのは熱海市内のマジオドライバーズスクールです。

マジオドライバーズスクール熱海校 スタッフ
「こういったことになり、会社としても何かしたいという思いがありました。ちょうど近くの七尾団地の方が移動するのに困っているという話を聞いて、それでは、ということで今回の話になりました」

画像2: 自動車学校が『無料バス』 土石流でバスが運休した団地の住民を支援 静岡・熱海市

林アナ実況
「七尾団地からくねくねと坂を下っていきます。車がないと生活が厳しいかもしれません、そしてかなり急こう配ですね…」

 車両は、自動車学校の生徒の送迎に使うものを利用。七尾団地を出発した『無料バス』が向かうのは熱海駅ではなく、神奈川県のJR湯河原駅です。

 周辺の国道などは土石流の影響で通行止めが続いているため、湯河原駅から電車で熱海駅に行った方が、早く市街地に行けるといいます。団地から20分ほどで『無料バス』は湯河原駅に到着しました。

林アナ 実況(午後1時半ごろ 神奈川県 JR湯河原駅)
「湯河原駅で5人が乗り込みます…」

 午前中のバスで団地を出て、熱海の市街地で用事を済ませたとみられる住民が、団地に戻るため湯河原駅で午後の便に乗り込みます。その後、バスは神奈川県内のスーパーに立ち寄り、団地へ戻ります。

画像3: 自動車学校が『無料バス』 土石流でバスが運休した団地の住民を支援 静岡・熱海市

 路線バスが止まったことで、団地の外での用事を済ませなくなっていた住民にとって、『無料バス』は必要な支援といえます。

利用者
「マジオさんには本当に感謝感激です。とにかくバスが動いてくれれば、買い物でも病院でも行けるので、それを心待ちにしていた」

 自動車学校の無料バスは1日7便出ています。まずは18日(日)まで運行の予定で、要望が多ければ19日以降の運行継続も検討するとしています。

     (7月14日放送)