全国的に注目区…静岡5区 吉川氏・細野氏は岸田派と二階派の代理戦争の様相 立憲の新人・小野氏も精力的に…それぞれの週末

 来る衆院議員選挙で全国的に注目されている静岡5区。自民党内の岸田派と二階派の代理戦争の様相が見られる一方、野党の候補は「コップの中の話」と批判します。選挙が目前に迫り、動きが活発になってきた週末のそれぞれの活動を取材しました。

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吉川赳氏

画像1: 吉川赳氏

吉川赳氏
「今回、岸田文雄氏が改めて総裁選立候補決意を固めました。私の実力のなさだが浪人している期間、何度も静岡5区には当時政調会長として入っていただき、私は全幅の信頼を置いているし、どうか普段お世話になっている皆さん、改めて岸田ご支援をお願いしたいのでよろしくお願いします」

 静岡5区の自民党・吉川赳氏は5日、裾野市で、所属する岸田派の岸田文雄会長と、自民党裾野支部の女性部メンバーとのオンライン意見交換会を開き、総裁選での岸田氏への支援を呼び掛けました。

岸田氏
「今回の自民党総裁選挙、私は国民の皆さんの声をしっかり聞き、政治の信頼をしっかり取り戻す、これをテーマにしてこの戦いに臨んでいる」

 参加した女性部メンバーからはコロナ対策に関して岸田氏への質問が相次ぎました。

Aさん
「変異株の流行で、今まで感染予防対策を見直す必要があるのではないでしょうか?」

Bさん
「私、2代目で飲食店をやっていて、この緊急事態宣言でこんなに打撃を今までないが打撃を受けている」

岸田氏
「ワクチンの接種をした証明やワクチンを接種したくてもできない方に対して、PCR検査で陰性証明を取ってもらう。これをできるだけデジタル化。スマホなどにしっかり活用できるような仕掛けを作ると。手軽に飲食店に提示すると利用することが可能になるとか」

 吉川氏は、こうした総裁選の論戦を通じて自民党への支持が高まることを期待しています。

吉川赳氏
「現在、自民党の支持率が厳しい状況にある。今回の総裁選、議論が深まることによって、もう一度自民党に期待をしていただこうという皆様方の声につなげていかなければならないと思う。それが今、私の中で最もやるべきことだと思っている」

 迫る衆院選、静岡5区は自民党内の岸田派と二階派の代理戦争の側面があります。

画像2: 吉川赳氏

吉川赳氏
「長く幹事長の要職にいた方なので、影響力は大変大きいものがあった。ある意味では若返り、世代交代といういい機会になるのかなと思う。

Q.静岡5区にとって影響はあるか?

A.「これに関しては度々申し上げているが、あくまで(細野氏は)無所属ということなので、これに関しては私は変わらず堂々と自民党の立場で政策を訴えていきたい」

細野豪志氏

画像1: 細野豪志氏

 無所属で二階派に所属する細野豪志氏も、オンラインで有権者と意見交換会を開いていました。

細野豪志氏
「そもそもメガソーラーができることでリスクが高まるということをどれだけ共有されているか?」

細野氏と話していたのは、函南町に計画されているメガソーラー発電所に不安を持つ「丹那の自然を守る会」のメンバーです。

細野豪志氏
「認識を持っている方もいるが大丈夫だろうという方もいて、名賀の中で話を出せない」

細野豪志氏
「熱海の土石流のようなものが生じた場合、一番初めに来るのが名賀。やり方としては国とか県を政治的に動かす必要がある。この間が黄瀬川大橋が落ちたが、本来県の仕事だが県ができないということで国がやる」

 小選挙区で選ばれた地元の代表との自負を持つ細野氏。政治家は結果を出すことが重要だと強調しました。

細野豪志氏
「やはりもちろん選挙はあるので準備はしなければならない。一方で本当に深刻な状況は目の前にある。現職である我々はそのことに一つ一つ答えを出していく」

翌日は、伊豆長岡温泉で、若手の旅館経営者と懇談、コロナ禍での経済対策の問題点などについて意見を聞きました。

旅館経営者
「仮に2年後に客が戻ってこられたとしても、その時にもう返済が始まる状態というと手持ちの資金が果たして残っているのかという不安はどうしてもある」

細野豪志氏
「コロナ融資をしているのに、それが返済が始まるということだと何のための融資かということになるので。ここは政治の出番だと思う」

 細野氏は、退任する菅総理について、福島第一原発の処理水の海洋放出を決断した点などを評価したうえで、自民党の総裁選については次のように語りました。

画像2: 細野豪志氏

細野豪志氏
「私は党籍があるわけではないので、直接関与する立場にはない」

Q.二階幹事長が退任する可能性が高いが、細野氏への影響も少なくないと思うが?

A.「それは全く次元が違う。今はやはり日本の総理大臣としてこの危機をどう乗り越えるかというところをしっかり判断していただくということだし、安全保障も含めて外交のかじ取りをしていただくという方を選ぶことが重要。それが私にどう影響するかということは全く関係のない話なので、いい総理をしっかりと選んでいただきたい、それに尽きる」

小野範和氏

画像1: 小野範和氏

 一方、野党・立憲民主党の小野範和氏は、富士市で街頭演説会を行っていました。

支援者:「頑張ってください」

小野範和氏:「はい、がんばります」

Q.(有権者の反応は)かなり違いますか、以前と?

小野氏:「そうですね、結局今の政権がああいう感じですから、必然的に野党への期待が高まっているそういう状況だと思う」

 会場には、母親で前伊豆の国市長の小野登志子氏も駆け付けました。

小野範和氏
「いよいよ衆議院議員選挙、恐らく11月だろうということで迫ってきた。長引くコロナ不況でコロナ関連倒産が全国で2000件に及んでしまった。そこで働いている方々、2万人以上の方々、仕事を失ってしまったかもしれない大変な状況です」

 政府のコロナ対策を強く批判した小野氏。いま危機感を持つのは、総裁選で国民の関心が自民党に集まることです。

小野範和氏:
「政府も総裁選を前にして、岸田さんが同じように感染隔離・野戦病院をつくる。あるいは安心してステイホーム出来る支援金を出していく、そうした方針も出ているが、それをやるのであれば、総裁選をやる前にやってほしい。今すぐやってほしい。今までなんで出来なかったのか。決断が出来なかった今の自公政権、総理が変わっても責任は変わらない。大いに反省していただかなければいけない」

画像2: 小野範和氏

 衆院選を直前にして、総理が変わることついて小野氏は…。

小野範和氏:
「今回の菅総理の決意によって、衆院選の日程が恐らく2週間後ろずれになる、2週間か3週間か。政治空白を長引かせることになったのは、国民にとって大きなダメージ」

立憲民主党の枝野代表は4日、自民党総裁選を「準決勝」、衆院選を「決勝」と位置づけ、「決勝戦を正々堂々と戦う」としています。

小野範和氏:
「菅総理が変わったとしても、今までのコロナ対策を是としてきた自民党の自公政権に変わりはないから、そこはきちんと有権者に冷静に判断してもらって、本当の政権交代をしなければいけない。それを訴えていくことに変わりはない」

Q.二階幹事長が降りるのではないかということだが、自民党系の人が2人立候補を予定しているが、影響はありそうか?

A.「それも今の話ではないが、コップの中の話ですよね。そんなことで無駄な時間を使うのかと、1日も早くコロナ対策をやりましょうと。じゃないと私たちも怒りますよと、それだけのことです」

 保守分裂選挙となる静岡5区ですが、立憲民主党側も共産党などとの野党共闘を実現できるかが大きな課題となります。

政治団体「愛地球党」の千田光氏も出馬を表明

画像: 政治団体「愛地球党」の千田光氏も出馬を表明

 衆議院静岡5区には、この3人のほかに政治団体「愛地球党」の千田光氏(43)が出馬を表明しています。千田氏は、世界平和の実現や税の簡素化などを訴えています。

                   (9月7日放送)