熱海土石流災害 静岡県警が強制捜査に着手 盛り土の前と現在の所有者の関係先を家宅捜索

 静岡県熱海市の大規模土石流の発生から間もなく4カ月。静岡県警が盛り土の前の所有者と現在の所有者の関係先を捜索しました。

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熱海土石流災害 静岡県警が強制捜査に着手 盛り土の前と現在の所有者の関係先を家宅捜索

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林輝彦アナウンサー(神奈川・小田原市 28日午後1時過ぎ)
「神奈川県小田原市です。先ほど午後1時ごろ、小田原市の会社に捜査関係者が入りました。そして、盛り土の前の土地所有者も建物に入っているものと思われます」

 熱海市の土石流災害から、間もなく4カ月。被害を甚大化させたとされる起点付近の盛り土をめぐり、静岡県警は28日、「強制捜査」に着手しました。

 28日午後、業務上過失致死の容疑で県警の捜査員が家宅捜索に入ったのは、盛り土を造成した神奈川県小田原市の不動産会社代表の関係先です。

 一方、県警は他にも熱海市内にある現在の土地所有者の関係先も重過失致死容疑で家宅捜索。関係書類を押収し、盛り土造成の経緯を調べる方針です。

熱海土石流災害では26人が死亡、1人が行方不明 遺族が告訴

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 熱海市伊豆山の土石流では、これまでに26人が犠牲になり、依然、太田和子さんが行方不明となっています。

8月27日…

斉藤慎一朗記者(熱海警察署)
「遺族と弁護士が熱海警察署に到着しました」

「被害者の会」加藤博太郎弁護士:「本日、2人に対する告訴状が正式に受理されました」

 8月、土石流で家族を失った遺族らでつくる「被害者の会」代表の瀬下雄史さんが、盛り土を造成した小田原市の不動産会社の代表と、現在の土地所有者を業務上過失致死などの疑いで刑事告訴。警察は告訴を受理し、捜査を進めていました。

「被害者の会」代表 瀬下雄史さん:「私の母もそうだが、地域の方々はそこの地盤は硬いと、みなさん安心して生活していた。実態としては土石流そのものが盛り土、それが全てなので それは許せない思いというのはある」

 県によりますと、盛り土をめぐっては、法令違反が確認されたことから、県や熱海市が繰り返し行政指導を行っていましたが、土地所有者は応じていませんでした。

 弁護士によりますと、造成をした不動産会社の代表は「前の土地の所有者として申し訳なく思う。すべて自分で盛り土を作ったわけではない」など話しているということです。

「被害者の会」代表 「大きな前進」

 警察が本格的な捜査に着手したことをうけて、「被害者の会」が会見を開きました。

「被害者の会」代表 瀬下雄史さん:「今回の強制捜査が、今後の加害者に厳罰を処するための大きな前進になるのではないかと思う。このような迅速なタイミングで警察が動いてくれたという事に関しても、非常に心強く思っているし、それなりの証拠ですとか確信をもってこういった捜査に乗り出してくれたんではないかと思っているので、今後も経緯、推移を見守っていきたいと思う」

 また、土石流で妻を亡くした、田中公一さんは。

田中公一さん
「捜索されて、いい方向に向いてくれればありがたい。警察にしっかりと捜査してもらって、犠牲になられた人、それから地元住民に対する謝罪なり、ちゃんとしたものをしていただければいいかなと」熱海市長「事実関係の解明を期待」 静岡県知事「徹底的に捜査を」

 熱海市の斉藤栄市長も取材に応じ、次のように述べました。

画像: 「被害者の会」代表 「大きな前進」

熱海市 斉藤栄市長:「この捜査によって、事実関係が解明されるということを期待をしております。もちろん警察からの協力にはしっかりと応えていきたいと思っています。警察の力によって、事業者に対しての捜査、しっかりと捜査をしてもらいたいと考えていますし、市としては、市としての解明をしっかりやっていかなければならないと認識しております」