大規模な海底火山の噴火で8000キロ離れた日本でも津波 静岡県内最大70センチ 避難住民「死にたくないので逃げた」

 日本時間の15日午後1時10分ごろ、南太平洋のトンガ沖で海底火山の大規模噴火が起きました。噴火にともなって発生した津波は、8000キロも離れた日本列島にまで到達しました。

 翌16日午前0時15分、気象庁は奄美群島とトカラ列島に津波警報を、静岡県を含む広い範囲に津波注意報を出しました。

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 静岡県では、午前0時16分に御前崎市で70センチの津波を観測しました。また、沼津市と南伊豆町で40センチ、浜松市西区・下田市・焼津市で30センチ、静岡市清水区で20センチの津波が到達しました。

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片山真人アナウンサー(下田市):「まもなく午前3時。下田市唯一の避難所には現在4人の方が避難しています。現在、津波注意報が出ているということで、不安な夜を過ごしています」

 県内では下田市などで避難所が開設され、24人が避難したほか、高台に自主避難する人もいました。

避難した住民(下田市民スポーツセンター)
男性:「警報が鳴ってしまったので、旅館をせっかく始めて旅館に泊まろうと思っていたが、こちらのほうに避難してきた」

Q.日が変わったくらいに急に警報がなったが…

女性:「びっくりした。どうしていいか分からなかった。最初はどのような行動をとっていいか分からなかったが、とりあえず一応ちょっと高いところに行った方がいいかなと思って出てきた」

避難した住民:「死にたくないという思いが強くて逃げた。周りの人も逃げている人は全然いなかったが、練習でもいいから1回行ってみようかなと思ってきました」

 熱海市の網代公民館でも…。

避難した住民(熱海市網代公民館)
「津波では初めて。台風とかそういう時にここに避難することはよくあるが、今回初めて」

県庁でも情報収集

画像1: 県庁でも情報収集

静岡県庁 原川朋華記者 「午前2時を過ぎました。県の危機対策課では4人の職員が情報収集にあたっています」

 県庁の危機管理部では、津波の被害や避難などの情報収集にあたっていました。

画像2: 県庁でも情報収集

静岡県危機対策課 太田勝課長(16日午前1時40分ごろ) 「現在、県内の沿岸に津波注意報が出ていて、県は情報収集態勢を取っているところです。被害があるという情報は入っていません。気象庁から発表されている津波の実測は御前崎0・7メートルがこれまでの最大の津波高と報告受けています」

 16日午後2時に、静岡県に出されていた津波注意報などはすべて解除されました。県によると、県内で津波による被害は確認されませんでした。ただ道路の通行止めや船舶の欠航が発生したほか、下田海中水族館などが臨時休館になり、吉田町の駅伝大会が中止になりました。