新型コロナ「飲み薬」静岡県内の薬局にも 重症化リスク高い61歳以上で基礎疾患がある患者対象に

 感染対策の切り札として進められてきた、ワクチン接種。静岡県内の接種率はすでに8割近くなっていますが、オミクロン株はブレイクスルー感染のリスクが高いことも分かっています。

画像1: 新型コロナ「飲み薬」静岡県内の薬局にも 重症化リスク高い61歳以上で基礎疾患がある患者対象に

原川朋華記者:「ドラッグストアの中にあるこちらの薬局でも、新型コロナの飲み薬を取り扱っています。現在は3箱=3人分を用意しているということです」

杏林堂薬局 薬剤師 鈴木孝史さん:「こちらが現物になります。ボトル状になっていて、中に40カプセル入っています。こちらが患者1人分の量になります」

 新型コロナ対応をめぐって、去年夏の第5波と大きく異なるのが飲み薬の存在です。

 県内でドラッグストアを展開する杏林堂薬局では、静岡市と浜松市の2店舗で、アメリカ・メルク社の「モルヌピラビル」を扱っています。薬局1カ所あたりで備蓄できるのは3箱=3人分までという取り決めですが、今後需要が増加した場合には必要分をその都度注文できるそうです。

画像2: 新型コロナ「飲み薬」静岡県内の薬局にも 重症化リスク高い61歳以上で基礎疾患がある患者対象に

杏林堂薬局 薬剤師 鈴木孝史さん:「ウイルスの増殖を防ぐような薬になっていて、飲み方は1日2回、1回4カプセルを服用する形になっています。それを5日間続けていただく薬になっています」

Q.発症からどれぐらいの時期に服用するのか

A.「症状の発現から5日以内。比較的早期に服用を開始していただく薬になっています」

対象は61歳以上で基礎疾患がある重症化リスク高い患者

 日本感染症学会によりますと、モルヌピラビルの投与が必要となるのは
61歳以上の基礎疾患があり、重症化のリスクが高い患者です。県によりますと、すでに県内の新型コロナ患者に処方されているということです。

 杏林堂薬局では去年の年末に薬を発注し、処方した実績はまだありません。患者に薬を与えるためには必ず医師による処方箋が必要で、こちらの店舗では静岡市内の新型コロナ患者を診療する病院からの依頼を受けて、
薬剤師または宅配業者が患者に薬を渡すことを想定しています。

画像: 対象は61歳以上で基礎疾患がある重症化リスク高い患者

杏林堂薬局 薬剤師 鈴木孝史さん:「薬のご説明だけは電話やオンライン対応で薬剤師の方から直接患者様の方にお伝えさせていただいているような形になります」

Q.もし処方が増えてきたら薬局の対応は?

A.「患者さまの安全・健康を第一に考えて、現状の人員状況ではもしかしたら対応が難しいかもしれないので、他の店舗から薬剤師の数を増員したりして対応を進めていきたいと思っています」