『コシヒカリ発言』を改めて謝罪…川勝静岡県知事が騒動以降初めての御殿場市訪問「自分ながら情けない」

川勝知事は26日午後、去年10月のコシヒカリ発言以降初めて公務で静岡県御殿場市を訪れ、市民に謝罪しました。

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『コシヒカリ発言』を改めて謝罪…川勝静岡県知事が騒動以降初めての御殿場市訪問「自分ながら情けない」

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冒頭のあいさつで市民に謝罪

根方ゆき乃記者:「知事のコシヒカリ発言以降、初めて御殿場市民との意見交換が行われる。会場には市民だけでなく御殿場市長の席も用意されている」

 県内各地で開催している県民との意見交換会「平太さんと語ろう」に出席するため、26日午後、御殿場市を訪れた川勝知事。会場には事前に申し込みをした御殿場市民19人が来場し、オンラインでもおよそ20人が参加しました。

冒頭のあいさつで、川勝知事は…。

川勝知事:「私の御殿場コシヒカリ発言、これが多くの人に不快な思いを抱かせてしまったことは、誠にもって、誠にもって、自分ながら情けないと思いますけれども、申し訳ございませんでした。つい数日前に『SDGs未来都市』として御殿場市が選出された。事実、ここは本当にガーデンシティじゃないかと思う。そういうことで、ここから学ぶことが大変多いという直感がある。仕掛けを学んで、皆様の役にも立ち、県政にもいかしていきたいと、そういう思いできょう来たので、何卒よろしくお願い申し上げます」

県政史上初の辞職勧告決議に発展

川勝知事:「人口は8万強しかないところ。あちらはコシヒカリしかない。だから飯だけ食って、それで農業だと思っている。あちらは観光しかありません」

 去年10月に行われた参院補選の選挙応援中に飛び出した、いわゆる「コシヒカリ発言」。御殿場市を揶揄したとの批判が高まり、県庁には抗議が殺到しました。川勝知事は当初、「誤解」であると釈明しましたが、最終的には全面的に謝罪します。

知事会見(去年11月10日):「説明をしたつもりが言い訳と取られているということで、これはえらいことになったなと思った」

知事会見(去年11月12日):「特に御殿場の皆様に対して、衷心より深くお詫びを申し上げます。誠に申し訳ありませんでした」

 この場で、選挙応援を含む自らの政務活動を『封印』することも宣言しました。そして、知事の失言によって県議会は一気に政局となります。

県議会議長:「開票の結果を報告します。投票総数66票、うち賛成47票、反対19票。以上の通りであります。よって川勝平太知事辞職勧告決議案は可決をされました」

 県政史上初めて、県議会で辞職勧告が決議される事態にまで発展しました。コシヒカリ発言がクローズアップされた一連の騒動の中、川勝知事は御殿場市役所を訪れ、勝又市長に直接謝罪しています。このとき以来、知事が公務で御殿場市に入るのはきょうが初めてです。

「温かく迎えていただいて感謝」

 意見交換会では御殿場市で活躍するパネラー3人が登壇。
それぞれの発言に対して、川勝知事がコメントする形で進行していきました。

はらぺこ食堂(子ども食堂)
 高田佐和子代表:「はらぺこ食堂が大切にしていることは、まず地域や年齢など制限を設けず、どなたでも大歓迎。地元の方とのつながりや優しさなど、皆様に支えられながら運営できているということを日々実感しております。この活動は、SDGSの理念である誰一人取り残さないを具体化した活動です」

川勝知事:「素晴らしいなと、申し上げることはないぐらい本当によい活動をされていて、最後の方で地域の子どもは地域で育てると、もう一つは誰も取り残さないと言われました。まさにこのSDGsの理念がはらぺこ食堂に来ているということですね」

 ホテルやレストランなどを手掛ける、「時之栖」の営業部長からは―

時之栖 
加藤弘一朗営業部長:「県の方にぜひお願いしたいのは、関係人口とのつながりの場を積極的に作る動きをしていただけると非常にありがたいと思っています。地ビールを先駆けとして展開してきまして、長い間、愛され続けていく御殿場コシヒカリのお米を使ったビールも弊社の特徴となっております」

川勝知事:「今簡単に富士五湖道路を通ってこっちに来られるし、伊豆半島の温泉地に抜けられる。箱根を越えればこちらですから。ここは本当に中心地になると。だから関係する人たちが増えてきてですね。関係人口が増えてくると、それは未来を開くということで、御殿場の『場』の力を踏まえて提言されているということだと思います」

 意見交換会はおよそ1時間半で終了。
その後、勝又市長とともに取材に応じた川勝知事は―

川勝知事:「市長には温かく迎えていただいて、感謝している。ここに来るのは初めてでしたが、すごくいいところだなと、それが感想です」
Q.冒頭に謝罪があったが
川勝知事:「私は御殿場が好き。富士山もありますし、御殿場コシヒカリもおいしいし、金華豚もある。そうしたことが選挙演説の中で不適切な使い方になって、不快な思いをした人がいるということを市長から聞かされ、誠に申し訳なかった。早く御殿場に来て皆さんと意見交換なり、御殿場に私たちが県として何ができるかを聞きたかったので、実現できてよかったと思います」

一方、御殿場市の勝又(かつまた)市長は―

御殿場市 
勝又正美市長:「私は御殿場市として歓迎する。知事に来ていただいて魅力、自然を感じていただいて、街づくりを一緒にやっていく機会を作ってほしいとお願いしていた。(今年度)最初に御殿場市を選んでくれたことに感謝している。ありがたい」