「基準で定められている手法を取らずに活動か…」静岡市の繁華街で消防隊員とみられる遺体が見つかった火事 消火活動に問題なかったか検証進む

静岡市の繁華街のビルで13日、消防隊員とみられる遺体が見つかった火事で、隊員らが基準で定められているロープで隊員同士を結ぶという手法を取らずに活動していたことがわかりました。

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「基準で定められている手法を取らずに活動か…」静岡市の繁華街で消防隊員とみられる遺体が見つかった火事 消火活動に問題なかったか検証進む

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梅田航平リポ「火災の鎮火から1日半ほど経ちましたが、周辺は未だ焦げくさい臭いが立ち込めています。きのうに引き続き、警察、消防などによる実況見分がおよそ30人体制で進められます。今、職員が火災のあったビルに入っていきます」

 13日午後10時ごろ静岡市葵区呉服町にあるビルの3階の飲食店から出火し、焼け跡から1人の遺体が見つかりました。静岡市消防局によりますと駿河消防署の山本将光さん(37)と今も連絡が取れておらず、警察が遺体は山本さんと見て身元の確認を急いでいます。

 山本さんを含む隊員3人は出火1時間後の午後10時50分、火元を確認するため階段で3階に上がりました。午後11時ごろ隊長が無線で退出を呼びかけた際、山本さんから「了解」と応答がありましたが、そのおよそ3分後に隊員2人が3階のエレベーターホールに出た時に山本さんの姿がなかったということです。

静岡市消防局 伴野泰造 警防部長「濃煙、煙と、この建物が鉄筋コンクリート造だったので、かなり火災で受けた熱をコンクリートで溜めていた可能性もあるので、室内も相当な高温になっていたと想像される」

 消防によりますと、屋内で活動する際は原則、隊員らをロープで結ぶことが基準として定められていますが、今回はロープは使わずに消防ホースをたどって進入と退出をする手法をとったということです。

静岡市消防局 伴野泰造 警防部長「今回はある程度、床面付近での視界が確保出来ていたと解釈されるため(ホースを)退出に利用していた。現時点では活動に対しては問題は無かったと理解している」

 静岡市消防局をめぐっては、おととし7月、吉田町川尻の日用品メーカー「レック」の工場で発生した火災で、現場の状況を確認するため工場内に入った消防士3人と警察官1人が爆発に巻き込まれ死亡する事故が起きています。

田辺信宏市長「安全管理体制、再訓練、それを努めてきた中でこのような事故が起きてしまったということをとても重く受け止めている」

 また、ビルは2016年に消防が行った立ち入り検査の際、階段部分の感知器不足など不備があったことが確認されていますが、消防は改善の報告を受けていなかったということです。静岡市消防局は、消火活動などに問題が無かったかなど検証を進めるとしています。