半導体不足に変化  エアコン生産好調で静岡県内は復調の兆し 業界によって回復に差も…

林輝彦アナウンサー:「三菱電機静岡製作所に来ている。こちらの製作所では主にエアコンと冷蔵庫を製作している。一時は半導体不足も懸念されたが、現在エアコンの製造はどんな状況でしょうか」

画像: 半導体不足に変化  エアコン生産好調で静岡県内は復調の兆し 業界によって回復に差も…

 コロナ禍で世界的に需要が急増したことなどによって起きた半導体不足。様々な家電に使用されている半導体を取り巻く状況はここに来て変化しています。

エアコンの生産態勢は…

三菱電機静岡製作所 営業部ルームエアコン販売企画グループマネージャー 
白井達也さん:「去年(2021年)の今頃は、やはり半導体の確保が難しいところがあったが(今年は)しっかりとエアコンをお届けできる態勢を整えている」

 県内でも猛暑日が相次ぎ、連日のように熱中症警戒アラートが発表されている今年の夏。私たちの生活になくてはならないエアコンにも半導体が使われています。
 ルームエアコンに加えて業務用エアコンを製造している三菱電機静岡製作所。半導体不足の影響を受けて、去年の夏は例年よりも稼働を抑えていたそうですが、2022年は夏の出荷最盛期の前から3つのラインが24時間フル稼働。
 大きな転機となったのが新型コロナによる上海のロックダウンの解除です。

画像: エアコンの生産態勢は…

 6月後半には現地からの供給が回復。7月から9月までの3カ月に前の年の同じ時期と比べて20%多く生産する計画です。

白井達也さん:「しばらくは安定して生産ができると思っている。しっかりと欲しい時にお買い求めいただけるように供給を続けていきたい」

給湯器はまだ十分に供給できず…

画像1: 給湯器はまだ十分に供給できず…

一方、依然として半導体不足の影響が色濃いのが自動車業界です。ホンダカーズ静岡 東静岡店では新車の製造が今も不安定な状況を受けて、新車の購入を希望する客に納期を伝えられないこともあるといいます。

 自動車業界以外にも、私たちの生活に身近な商品にも影響が…。

林輝彦アナウンサー:「市内のこちらの会社は給湯器をはじめ住宅設備を販売している会社です。コンロなどは供給できるようになったということですが、給湯器はまだ十分に供給できないといいます」

 1924年創業、地域密着の営業スタイルを売りにしている静岡市の中島商店。

画像2: 給湯器はまだ十分に供給できず…

中島商店 代表取締役 
中島駿介さん:「去年(2021年)10月ぐらいから物が入ってこないのが続いていて、どうしてもうちのメインの商材の給湯器はお待ちいただいていることが多い。やっぱり弊社の売りで、私自身が施工するのでお湯が1週間使えないと困るよという方に対しては、即日対応をしていたので、サービスとしてかなり喜ばれていて、僕は動けるけど物が無いという、かなり歯がゆさがあった」

 給湯器に使われる半導体を含む部品の入荷は一時期よりは多少緩和されたものの、今でも入荷まで1カ月待ちの商品もあるといいます。20件ほどの顧客に入荷待ちをお願いしている状況に、悩ましさをにじませます。

画像3: 給湯器はまだ十分に供給できず…

中島駿介さん:「きょう給湯器で入ってきたものがあるが、それを頼んだのが去年12月の頭、僕の父、その先代の祖父の時代からのお客様も多いので、今こういったご時世で入って来ないよと言うとご理解はいただいて、逆にこちらにかなり気を遣っていただいて、それがちょっと心苦しいところはある。海外で半導体を作っているところで、ロックダウンが解除されたりしているので、ある程度めどというか、希望としては年末ぐらいとか、年明けぐらいには今までの物流の流れになっていれば一番幸い」