園児への虐待行為があった保育園が園児の受け入れを再開 元保育士「冷静な行動ができなかった」
裾野市の私立「さくら保育園」で、保育士3人が園児を虐待したとして逮捕された事件。
さくら保育園は6日受け入れを再開し、園児が保護者に抱きかかえられて登園する姿も見られました。
園が再開したことについて、保護者からは―
保護者:
「率直にありがたかったちゃんと文書も送っていただいて、メールとかで連絡が来ているので」
Q.きょう園に行って保育士の様子はいかがでしょうか?
保護者:
「先生たちは子どもの前ではちゃんと割り切っているので、親には連日すいませんと謝り、子どものケアはちゃんとしてくれて、本当に先生が心配なぐらい先生たちは頑張ってくれているとは思う」
逮捕された元保育士が担当するクラスにかつて子どもが在籍していたという保護者にも話を聞くことができました。
Q.どんな思いで頑張って話そうと思った?
園児の母:
「先生がテレビに出ていたからだよね、大事な先生が。名前が出ていたから(一言)言いたいんだよね」
Q.どんなところが好きだった?
さくら保育園に通う園児:
「(一緒に)遊ぶところ」
Q.どんなことをして遊んでくれた?
園児:
「折り紙。(涙声で)先生とお別れはいやだ」
園児の母:
「虐待に関してはすごく衝撃的だった。もう起こらないようにするというのが一番これから求められることであって保育園の態勢などもしっかり見直せるように、今後変えていけるような未来になればと」
園は再開にあたって保護者に送ったメールで、「正常な保育環境を整えることを最重要項目として改革に取り組む」と説明。
園を運営する法人は理事長を兼任する櫻井利彦園長を、交代させる方針を明らかにしています。
両足を持って宙づりにする、頭を殴るなど、暴行の疑いで5日送検された3人の元保育士は、捜査関係者によりますと、いずれもおおむね容疑を認めているといいます。
園や市の調査によって、3人は園児にカッターナイフを見せて脅す、倉庫に閉じ込める、寝かしつけた園児に「ご臨終です」と何度も発言するなど、少なくとも15の不適切行為をしていたことが確認されています。
さらに、裾野市への取材で明らかになったこと
さらに、その後の裾野市への取材で、園児を撮影した写真に容姿にまつわる不適切なコメントを書き加えて、1歳児クラスを担当する保育士6人のSNSグループで、共有していたことが分かりました。
8月に園が市に提出した調査報告書に記載されていたものですが、市はこれまで今回明らかになった行為を公表していませんでした。
裾野市の担当者:
「市が発表した15項目は、園が調査結果と市への通報内容をすり合わせて、まとめたもの。園からの当初の報告にはLINEでの写真の共有も含まれていたが、その後なくなっていたため、『泣いている園児を撮影した』、『容姿を馬鹿にする呼びかけをした』という別の項目に含まれているものと理解し、付け加えなかった」
そして、先ほど、裾野市は不適切な写真の共有について、すでに発表していた15の不適切な行為に追加したと発表しました。
一方で、逮捕された3人のうちの一人が、事件をめぐり「新型コロナの影響で業務や気を遣うことが増えた」などと話していることが接見した弁護士への取材で新たに分かりました。
元保育士はバインダーで園児の頭を叩いたことを認めた上で、当時の状況について、こう話しているそうです。
元保育士:
「お昼寝の前に園児の検温をしていて手にバインダーを持っていたところ、園児がおもちゃの台所に登ろうとして、危ないと思い、頭を叩いてしまった。今思えば、バインダーを置いて両手で抱きかかえればよかった。軽率な行動をしてしまい、大変申し訳ないことをした」