児童の「大丈夫」の答えにそのまま走り去ったか 集団登校の児童5人が重軽傷のひき逃げ事件 静岡・菊川市
磐田市に住む81歳の無職の男は、9日、菊川市で児童5人をはねて逃走した疑いで逮捕されました。
事件前後の詳しい足取りも明らかになってきました。捜査関係者によりますと、81歳の男は9日、菊川市内に住む友人ら6人と長野県にスキーに行くため現場付近を車で通りかかり、集合場所に到着する前に事故が発生。
男は児童に「大丈夫か」と声を掛けましたが、児童が「大丈夫」と答えたため、そのまま友人との集合場所に向かい、菊川市内の倉庫に車を置いて長野県に向かいました。
現場にいた高学年の児童が、車に高齢者マークが付いていたことや4桁のナンバーを覚えていたため、警察は男に連絡。すると、男は現場に戻り、事故を起こしたことを認めたということです。
児童はおよそ30人で集団登校をしていて、男は「児童が横に広がり危なかった」などと供述しているということです。
地域では見守りを強化 市長も警察に対策を要望
静岡県菊川市で9日に発生したひき逃げ事件を受け、登下校中の見守りが強化されています。
児童が被害にあった菊川市立六郷小学校の近くでは、9日と同じように10日も午前7時半ごろ、子どもたちが登校。通学路沿いには警察官や市の職員らが立ち、その様子を見守りました。警察は自治体と連携し、通学路の交通安全対策を県内全域で強化するとしています。
そして10日午後には菊川市の長谷川寛彦市長が現場を視察。その後、菊川警察署を訪れ、具体的な措置を要望しました。
静岡県菊川市 長谷川寛彦市長:「通学の時間帯に進入禁止にできるような措置をしていただくようにお願いした」
高齢ドライバー対象の体験型安全講習では
こうした高齢者や子どもが絡む事故があとを絶たない中、10日掛川市では高齢ドライバーを対象に体験型の安全講習が開かれました。およそ40人が参加し、シミュレーション画面で疑似運転に挑戦。運転中に潜む危険な状況について意見を交わし、予測できない事態も起きるということを学びました。
参加者:「判断力が落ちていると思うので、今回の講習が参考になればいいと思う」
参加者:「最近、子どもたちが巻き込まれる交通事故が多いと散見するので、学んでいきたい」
講師の交通教育センターレインボー浜名湖 木村海王さん:「交通社会には様々な考え方を持つ方がいらっしゃいますので、自分で安全確認をすることが大事になる」