静岡県は「行政代執行」の手続きへ 熱海土石流災害 崩落の起点に残った盛り土の土砂撤去

静岡県熱海市の土石流災害の崩落の起点に残っている盛り土について、県は前の土地所有者に代わって土砂を撤去する「行政代執行」に向けた手続きに入ることを決めました。

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静岡県は「行政代執行」の手続きへ 熱海土石流災害 崩落の起点に残った盛り土の土砂撤去

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 崩落の起点で崩れずに残っている盛り土をめぐっては、県が8月に前の土地所有者に対して土砂の撤去を求める措置命令を出しましたが、所有者はこれを拒否。工事着手の期限は5日までとなっていましたが、県が現地を確認したところ午前8時時点で撤去作業は行われていないということです。

 こうした状況を受け県は6日朝、森貴志副知事を座長とする会議を開き、業者の代わりに強制的に土砂を撤去する行政代執行の手続きに入るか協議しました。

静岡県
森貴志 副知事:「前所有者に対して措置命令を発出したが、本人からの拒否があり、これについては遺憾だが地域住民の安全の確保、復興に向けてこの土砂を何とか撤去していく」

 協議では、きょう6日から行政代執行の実施に向けた手続きに入ることが全会一致で決まったということです。行政代執行が実施された場合、費用は所有者に請求され支払い能力がない場合でも法律に基づいて県が回収にあたることになります。

 県は今後、所有者に最終的な工事着手を求める「戒告書」を出すとともに、作業を行う業者の入札に向けた準備を進める方針です。

森副知事:「いち早く撤去が進まないと安全確保もそうだが、熱海市の警戒区域の解除等も行えず、復旧・復興が遅れるということもあるので、本日から行政代執行に向けて手続きを開始する」

 実際の撤去作業は10月中旬以降から始まり、2023年の梅雨の時期までに完了させる方針です。