「家飲みではカバーできない」 閑散とする繁華街…飲食店に売り上げ支えられる酒店も苦境に 静岡市
富士市全域の酒類伴う飲食店とカラオケ店に「時短要請」
21日、臨時会見を開いた川勝知事。富士市全域で酒類を提供する飲食店やカラオケ店に23日から2週間、営業を自粛するよう要請しました。(12月23日~来年1月5日 午後8時~翌朝5時 協力金1事業者あたり1日4万円)
そして、富士市に限らず、年末年始は不要不急の外出を控えるよう求めました。
酒店も書き入れ時の年末…売り上げは例年の4割減
飲食店にとって書き入れ時の年末年始。外出を控える動きが加速し、頭を悩ませているのは、飲食店だけではありません。
原川朋華記者:「年末にも関わらず、閑散としている駒形通り商店街です。こちらの酒店でも客足がかなり遠のいているといいます」
静岡市葵区の駒形通りにある酒店「とみた屋」。県内の地酒が人気です。一般客にも販売していますが、売り上げを支えるのは居酒屋を中心とした飲食店からの注文です。
とみた屋 黒田淳さん:「1年で一番の稼ぎ時なので、お酒の動く量は年末は半端じゃないので、それを考えると厳しい」
今回の富士市のように時短要請や休業要請に従った場合、十分ではないとはいえ、飲食店などには協力金が入ります。しかし、仕入れ元の酒店は対象外です。
とみた屋 黒田淳さん:「正直言えば(酒店も協力金が)ほしいですけど、文句言っても仕方ないので」
今は、今年採れた米で最初につくる「新酒」が入る時期。酒店にとって売り上げを伸ばすチャンスですが、飲食店の客足が伸びず、この店の売り上げは例年より4割も減っています。
飲食店からの注文が減っている理由は、他にもあります。
とみた屋 黒田淳さん:「夜に力を入れていた店が、昼の食事に力を入れて、仕出しの免許を取ってお弁当を作って配達したりとか、そういうふうにした店もあります」
さらに、経営が苦しい飲食店は在庫を抱えることを嫌がり、店の酒がなくなるまで、注文しなくなったといいます。きょうの午前中も、飲食店への販売は1件だけで、他は一般客でした。
一般客:「正月に妻の実家で飲む熱燗用の日本酒を買いに来ました」
とみた屋 黒田淳さん:「飲食店で使う量、飲む量と、個人が飲む量は月で換算すれば全然違う。その分を考えると、家飲みでは(売り上げを)カバーはしきれない。(店で)酒を飲むことが悪いことみたいになっているが、ちゃんと対策して、守って飲んでいただければ、全然悪いことではないので、楽しんで飲んでほしい」