【リニア】川勝知事「神奈川の状況を正確に知りたい」 東海道新幹線の「静岡空港新駅案」も再浮上…

静岡県
川勝平太 知事(10月11日):「私自身は2000年にまだ18キロしか実験線がなかった時に試乗したことがあった。私は多くの方にぜひ、現在43キロできているので、時速500キロの空飛ぶ新幹線を体感していただきたいと考えて、地域の代表である、市長、町長、その市長会や町長会で試乗を呼びかけたところである」

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リニア試乗に県内の首長を招待?

 11日の会見でこのように話した川勝知事。いったいなんのことを話しているのか、4日に遡ります。

画像: リニア試乗に県内の首長を招待?

川勝知事(10月4日):「JR東海の社長が、ぜひ川勝にリニアに試乗してほしいと言われて日にちが11月2日になりました。それで、もしよろしければ確か数両編成なんですよ、あれ。だから私は、(ここに)来られた人みんな乗ったらどうでしょう?」

 前週、県内の市や町のトップが集まって行われた会議。ここで川勝知事は11月に予定されているリニア視察への参加を呼びかけました。

川勝知事(10月4日):「ご関心のある方、金子社長のお招きですので」

 ただJR東海によると、あくまでも今回の視察は川勝知事に向けたもので、県内の市長や町長らに同席してもらうことは想定していないといいます。ことあるごとに注目が集まるリニア問題。そのなかでも今特に注目を集めているのが、神奈川県との関係です。

川勝知事(9月22日):「品川―名古屋はできるかどうか、これを見に行ったわけですね。調査したわけです。そうすると「極めて厳しい」ということがわかりました。用地買収の交渉はですね、神奈川県に委ねられているわけですよ。だから一義的には神奈川県が、完全に2027年の開業を不可能にしたと思いますね」

神奈川県でこんなことを…

9月、神奈川県駅が建設される予定の神奈川県相模原市を視察した川勝知事。駅の建設予定地とともに車両基地の予定地を視察した知事ですが、その後記者たちにこんなことを・・・。

川勝知事(相模原市役所・9月7日):「2027年に努力すれば(品川・名古屋間の開業は)できると全ての知事さんが思っていらっしゃるんですね。だけど、きょうこの現場を見ればできないじゃないですか」

 用地の取得状況などを視察してから飛び出た川勝知事の発言。これには神奈川県知事もだまってはいられませんでした。

画像: 神奈川県でこんなことを…

神奈川県
黒岩祐治 知事(1日・神奈川県相模原市):「川勝知事が、どういう根拠でそういう発言をしたのかよくわかりません。私たちもしっかりと現場を見てくることは必要だなと思って、きょう、しっかり見てきました。これはパッと外から見ただけではわからないんですね。住宅がそこにある方は、その住宅を移転していただかなくてはいけない、難しい形があるんですが、住宅の部分で言うと8割になっているということですね。8割の方が了承してくれていることになる。2027年(開業)ということから考えれば、着実に進んでいることを私は認識できたので、金子社長にも話をしたところ『スケジュール通りいっている』という話なので我々としてはそういうメッセージを、私たちの口からお伝えしたい」

11日の会見で川勝知事は…

淡々と神奈川県の現状を説明した黒岩知事。いっぽう川勝知事は11日の会見で記者からこんな質問を投げかけられました。

Q:去年いわゆる知事のコシヒカリ発言の後の11月12日の定例会見で、今後の政治スタンスについて二度と誤った、あるいは完全に人を傷つけるような発言をしないというふうに自ら誓ったと発言し、12月22日の定例会見でこれからはそういう敵対関係は一切私自身の方から取らないというふうにしてまいりたいと発言しています。今回、一日の黒岩知事の会見を見ますと、口調こそ穏やかであれど、明らかに怒気を隠しているように見えましたけれども、知事が去年この県民に誓った言葉はどこに行ってしまったんでしょうか?

川勝知事(11日):「この調査研究、広報、啓発という事の事実、そこから見いだした事実を皆様方にお知らせしたと。それに対して黒岩知事さんがああいう形で反応されたということで傷ついたということになってるかもしれませんけれども、ですから、それを克服するには、車両基地の現状、これを2015年の3月に、だと思いますけれども、土地の取得事務はJR東海から神奈川県が受託されているわけですね。ですから、7年半かけて半分なのか八割なのか、正確に我々知りたいと」

山梨県知事とは蜜月?

リニアをめぐる神奈川県との雲行きが怪しくなる中、こちらの県知事とはうまくいっているようです。

川勝知事(11日):「長崎山梨県知事が山梨県、これもう長い間実験線を走行していて、すごい強い期待を持っている、甲州の皆様方。東京に出る。とりあえずできるところからということになれば、山梨県が早く東京へ出たい。東京の方たちからお越しいただきたいというふうなご希望は昔から持っていて、東京まで先行開業っていうのも考えるっていうことをおっしゃっているのは」

画像: 山梨県知事とは蜜月?

 これまでも山梨から神奈川、もしくは品川駅までの先行開業に言及している川勝知事。いっぽうで山梨県の長崎知事が「静岡空港に東海道新幹線の駅を造る」ことについて
一部報道の取材で語っていることについても…

川勝知事(11日):「だいたいあそこの牧之原台地が、一変致します、新駅ができると。ただし水がなければ新駅ができないってことは、長崎幸太郎山梨県知事も百も承知の上で言っている。ですから水の問題とは別個だということは明言されていたはずです。私どもも水がなければ空港が干上がるので、まずこの問題を解決しなくてはならないと。ただし、リニアが完成すればのぞみ機能がリニアの方にかなり移るので、しかも中央新幹線の小委員会の最終答申でも、新駅のことをうたっている。ですからそれは金子さんじゃなくて、葛西元JR東海の顔とも話をして、リニアができた時には、空港新駅ができているのは全く問題ないという話もしていた」

「空港新駅」に再び注目が?

画像: 「空港新駅」に再び注目が?

これまでも川勝知事が度々発言してきた「空港新駅」について再び注目が集まりそうです。

川勝知事(11日):「リニアが出来上がった時にどういう交通体系を持っているのが、日本にとって全体としていいか。また山梨県にとってもいいか、静岡県にとってもいいかと。こういう考えで、私はこの考えには強くサインを表したいと、静岡空港あれは富士山静岡空港と言っているが、実際に山梨県の方たちもたくさん利用していただいたし、行っているし、また山梨県に行くお客さんもいるんでね。もう富士山空港でいいと。富士山山梨空港と言ってもらってもいいと思うが、要するに共有しているものであるから、そういう意味で中部横断自動車道ができたので山梨県知事あるいは山梨県民にとってもあの空港は非常にこの可能性を強く強く、意識してああいう発言になったんじゃないかと、ありがたいことだと思っております」