去年台風8号で被害を受けた静岡県松崎町 1年後その教訓は
白鳥衛記者 松崎町:
「午後1時過ぎの松崎町雲見地区です、きょうは午前から雨が降り続け不安定な天気となっています。そしてちょうど1年前こちらを流れる太田川が氾濫し周辺の民宿では浸水するなどの大きな被害がありました、今年も台風が近づいているということで、すでに台風の影響が出ているということです」
松崎町を流れる太田川。普段は流れが穏やかな川です。
ところが、14日は台風7号の影響に備え、家の前や橋の上には土のうが置かれていました。
その理由は・・・
松崎町では去年8月、台風8号が大きな爪痕を残しました。
町を流れる太田川の上流では土石流が発生し、流木などが下流で堆積。
川が氾濫して旅館や住宅に土砂が一気に流れ込みました。
去年の台風8号による床上浸水は27軒、床下浸水が30世帯、全壊が1軒でした。
また水道管や温泉菅が破損し、温泉が観光資源でもある町にとって経済面でも大きな被害をもたらしました。
去年8月 露天風呂の宿「半右衛門」 高橋雅子さん
Q温泉はいつごろでた?
「ついさっき。本当にありがたい、これで毎日の疲れがとれる、また明日から復旧に向けて頑張る力が湧いてくる」
番組では1年前、温泉宿泊施設「半右衛門」を取材していました。
台風の被害発生から5日目。
温泉は出たものの浸水被害があったため営業再開の目途は直ぐには立ちませんでした。
去年8月 露天風呂の宿 「半右衛門」 高橋雅子さん
「こういう状況なのでいつ再開できるかは半年から1年はかかるんじゃないかと思っているがもっと早く再開できるように頑張っていきたい」
1年後のきょうは
あれからおよそ1年・・・きょう再び、半右衛門を取材すると。
Q1年前太田川が氾濫したが当時の状況は?
露天風呂の宿 半右衛門 高橋雅子さん:
「気が付いたらこのあたりまで水が来ていて、気が付いた時には床上(浸水)になって
床上浸水となった客室は畳から板に張り替えていました。
また、宿自慢の露天風呂は・・・
露天風呂の宿 半右衛門 高橋雅子さん:
「露天風呂の下は泥がまだ十分かきだせなくて少し残っているんですけど」
温泉は出るようになったといいますが、一年前の爪痕がまだ残っていました。
当時を振り返って 高橋さんは・・・
露天風呂の宿 半右衛門 高橋雅子さん:
「その当時はそんなにすぐに温泉が出るとは思わなかったが、温泉屋さんが頑張ってやってくれて4日目か5日目に(出た)。でも本当にちょろちょろだったので露天風呂までまわらなくて、中風呂は私たちが入るぐらいのお風呂がやっとたまるぐらいだったが、一日中泥だらけになって作業した後に温泉に入れたのはありがたかった」
「温泉ってありがたいなってつくづく思いました。こうやって今は何不自由なく露天風呂を使ってもらえる。皆さんに喜んでもらっている」
今夜から雨が強まりそうな県内。
今回の台風7号では去年の教訓を生かし、準備しているそうです。
露天風呂の宿 半右衛門 高橋雅子さん:
「去年もたまたまキャンセルしてもらって早めに2泊の予定を1泊で帰っていただいたので、当日の朝お客さんはいなかった。それだけが本当に良かったと思った。だから今年もそういうことがないように念のためにキャンセルをお願いして対応した。」
お客さんの安全が最優先。
14日、15日の予約はほぼキャンセルとなりました。
露天風呂の宿 半右衛門 高橋雅子さん:
「被害がないのが一番、しょうがない」
ゆっくりと北上する台風7号。
静岡県を含む東海地方では線状降水帯発生の可能性も懸念されています。