静岡県議会で自民がヤリ玉 非常勤特別職は川勝知事の「側近」? 知事は「万機公論に決すという姿勢」
非常勤特別職は知事の側近?
代表質問のトップバッターに立ったのは、最大会派・自民改革会議の飯田末夫県議です。取り上げたのは、知事が任命する「非常勤特別職」。これが知事の「側近政治」につながっているというのです。
自民改革会議
飯田末夫県議:「非常勤特別職は制度上知事の裁量による任用が可能です。このため、一般には知事の個人的なつながりによる任用や情実人事が行われる温床になりかねないと危惧されています」
自民が問題にしたのは、現在2人いる「非常勤特別職」のうち、県庁内で知事の”側近中の側近”として知られる篠原清志特別補佐戦略監です。県職員だった篠原氏は、昨年度まで4年にわたり知事戦略監を務めていましたが、今年度から「非常勤特別職」の特別補佐戦略監に身分が変更されました。
自民改革会議
飯田末夫県議:「職務内容が変わったようにも感じられず、なぜ身分を変更したのかについては不明なままです。知事の傍近くに仕える特別補佐戦略監は、その意見が知事の意思決定時に重要な役割を果たすことは想像に難くなく、事実上副知事以上の権限を持っていると言わざるを得ず、一般職の職員などは全く翻弄されているように映っています。何よりその専門的な知見自体が歪んだものであれば、県政運営を誤った方向に導かれない危険性もあり、大変重要な問題であります」
指摘を受けた川勝知事は…
県庁の関係者によると、篠原氏は知事に忠実で信頼が厚く、現在もその右腕として、県庁全体の政策調整や、知事の特命事項に関わり、一部では副知事以上の影響力を持っているといわれています。
飯田県議:「一部の意見に従った意思決定は決して健全とは言えず、知事はこのような側近政治ともとられかねない現実を直視し、重要なポストへの非常勤特別職の任用のあり方自体を直ちに見直す必要があると考えますがその見解について伺います」
側近政治だとの指摘を受けた川勝知事は…。
静岡県
川勝平太知事:「ご質問にございます篠原特別補佐戦略監でありますが、県政の政策立案施行に関わる職員の指導に携わっていただいております。すべての県政の施策運営方針との意思決定に関しましては、私、2名の副知事、そして関係部局長、関係職員と広く協議を重ねておりまして、万機公論に決すという姿勢で進めております。非常勤特別職につきましては、毎年度その必要性を判断しているところであり、今後もこうした方針に沿って適切に任用してまいります」
一方、午後は、知事与党とされる「ふじのくに県民クラブ」の田口章県議が登壇。新型コロナ対策などを質問しました。知事は「今後の対応として医療機関が連携するネットワークの構築が必要」と答え、防疫先進県を目指すと強調しました。また、リニア問題について田口県議は、「南アルプスへの影響について十分な検討が必要だ」とした上で、「環境と経済をどう両立するか、リニアは具体的で象徴的な事例だ」と述べ、多くの関係者を巻き込みオープンな場で議論を進めるよう求めました。