断水に苦しむ清水区に広がる支援の輪 クリーニング店の粋な計らいとは 助産院は沐浴の無料提供も
クリーニング店の計らいとは
清水区長崎にある「セントラルタオル静岡」。市内の飲食店などで使用するおしぼりを製造する傍ら、クリーニング店も営んでいます。今回の台風で、3つある自社工場のうち2つが浸水の被害に遭いました。唯一被害のなかったこの工場で行われているのが…。
セントラルタオル静岡
竹久保大地 代表取締役:「井戸水を引いている(この)工場があったので、井戸水で良ければ地域の人のために洗濯させていただきますということで、少し動いただけなんですけど、地域のために少しでもお手伝いできればと思って」
難を逃れたこの工場では、およそ地下40メートルから井戸水を引いています。断水で困っている人のために3日前から、商売を抜きにして、洗濯のボランティアを買って出ました。
店員と客のやりとり
「100円になります」
「まじですか、すいません」
衣類の洗濯・乾燥、そしてたたんで返却、この一連の作業が何と100円。受け渡す際には500m?の飲料水も無料配布されます。さらに井戸水も無料開放。24時間いつでも汲みくることができます。
客①:「きのうの昼ぐらいにお願いしてきょう仕上がったと連絡をもらい取りに来た。小さい子どもがいるので本当に助かりました」
客②:「断水中なのでアパートの人に情報をもらって家の近くなので(来た)。少し前にコインランドリーも行ったがすごい並んでいて金額も高いのでありがたく使わせてもらいました」
お客さんからも気遣いが…
セントラルタオル静岡
竹久保大地 代表取締役:「被害に遭われた方々、自分も自分の会社も含め、こういうときのためにいるんじゃないのと。ここで商売やらせてもらっている以上は地域の約に立たないと意味がないというところで/みんなスタッフ一同同じ思いで動いてくれたのできょうで3日目ですが、この形でやれてると思う」
受け付け時間は午前7時から午後7時までですが、作業は日付けが変わるまで続けられます。
セントラルタオル静岡
竹久保大地 代表取締役:「『お腹空いてるでしょ』とパンをくれたり、『のど渇くでしょ』と麦茶1ケースをくれたり、この間夜まで作業をしていたら近所の人が『そろそろビールでも飲んだらどうだ』とビールを買ってくれたり、本当にありがたい限り。何かがいただけるからありがたいとかではなく、その気持ちがうれしくて、断水続く限りは寝る間を惜しんででもやりきろうと。がんばっていく所存でございます」
助産院は沐浴の無料提供
静岡市葵区の渡辺助産院。こちらの助産院では、断水被害を受けている赤ちゃんや小さい子がいる家庭を対象に、沐浴やお風呂などの無償提供をきょうから始めました。
渡辺助産院
新里俊子助産師:「赤ちゃんがいるお宅、あるいはそうじゃなくてもやっぱり困っている方がたくさんいるということで始めようと思った。少しでも力になれれば」
この日は断水被害を受けている清水区に住む2組の家族が利用。
「気持ちいね、気持ちいいね。体を洗いましょう」
こちらの助産院では、お風呂以外にも希望する人には水を提供したり洗濯をしてあげるなどの支援を行っています。
子どもと一緒にお風呂を利用した人は…。
清水区民(30代):「(風呂に入って)すっきりしますよね、すっきりです。身内が遠くにいたりすると、なかなか風呂の利用とか有料の温泉もなかなか3歳未満でおむつが取れていないと利用できないので、こういった施設を利用しようと思って。断水自体が初めてでどうしていいか分からない状況で、こういったことを提供してもらってすごく助かっている」
助産院では、今後も電話で予約を受け付けているということです。