ゾウ4頭を輸入して環境を整えるのに26億円 静岡市
60年ほどと言われているゾウの寿命。
シャンティは51歳、ダンボは54歳と高齢です。
●日本平動物園 竹下秀人園長
「いつ亡くなるかもわからないのは確かにあるが
少しでも長生きしてもらえるように飼育員スタッフ一同で丁寧に飼育している。」
日本平動物園は今からおよそ50年前の1969年に開園しました。
2頭は、その頃から人気でした。
動物園の看板ともいえるゾウがいなくならないよう、
市はタイからアジアゾウを迎え入れる計画を進めています。
●田辺市長
「陸上最大の動物である象は、子供たちのみならず大人にも、大変人気の高い動物。迎えたファミリーから新たな命が誕生すれば命の大切さとそこに育まれる自然の雄大さも感じ取れる。」
去年の市長選の公約にゾウの家族を招くことを掲げていた田辺市長。
しかし、その道は平たんではありません。
市は、おととし、タイに要望書を提出し
これまで計3回、現地で直接交渉しています。
ただ、タイはゾウの輸出を年間1機関2頭以下という制度があり
交渉が難航しているといいます。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大で
タイに行くことができない状況が続いています。
問題は他にも・・・
4頭の輸入を計画しているが、そのためには・・・
●日本平動物園 竹下秀人園長
「繁殖をするには群れで飼うことが大前提。少なくとも3000平方メートルは
確保しないとゾウが安心して暮らせるという面積に満たない」
市の計画ではオス・メス合わせて4頭のゾウを輸入します。
4頭としているのは、絶滅危惧種のゾウはワシントン条約で売買が禁止されていて、
繁殖目的以外は認められていないためです。
少なくとも4頭ほどの群れで暮らせる環境が必要だということです。
この計画を進めるため、市は26億円余りをかけて
日本平動物園に新しいゾウの飼育施設をつくります。
その大きさは3000平方メートル、現在のゾウ舎のおよそ10倍です。
早ければ6年後に飼育施設の建設とゾウの輸入を目指します。
この費用は、現在、一般620円の入園料の値上げや
寄付金、税金の投入などが考えられますが、具体的な方法は決まっていません。
不可欠なのは、市民の理解です。
●静岡市内の来園者
「4頭加わればもっと賑やかになって来園者も増えて盛り上がるんじゃないか。
Q:入館料が値上がりするかもしれないが・・・
この子たちがかからない(無料)分にはありがたい。」
●田辺市長
「実際、タイ王国との交渉は、厳しいものであるが、他の原産国からの輸入の可能性も含めて、今後も粘り強い交渉を深めお互いの信頼関係を構築していきたいと考える。」
ただ、新型コロナの影響で静岡市は
清水庁舎移転や海洋文化施設の整備といった大型事業を凍結するなど
財政は逼迫していて、事業の先行きは不透明です。