食卓の優等生「もやし」も値上げ避けられず…原料の緑豆と燃料費が値上がり

 食卓の優等生とも呼ばれる「もやし」ですが、これから値上げされることが予想されています。

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ダブルパンチでコストアップ 「値上げは免れない」

静岡市民70代
「困りますね、生活が大変になります。お味噌汁にしたり炒めたり、マリネにしてみたり、色々利用方法がありますよね」

 流通アナリストの渡辺広明さんは…。

渡辺広明さん
「もやしは原料の緑豆が値上がりしていて、9割が中国から仕入れているが、値上がりしている。原料が上がっているので、当然上がる。あとウクライナの危機があって燃料費が上がっているので、ダブルでコストがかかっているため値上がりが免れない」

 東京のスーパーでは、すでに5円から10円ほど値上げしているそうですが…。

画像: ダブルパンチでコストアップ 「値上げは免れない」

渡部広明さん
「これは静岡だからとか東京だからという問題ではなく、日本全国同じような状況になるので、静岡も今後値上がりしていくのは間違いない。もやしはそもそも価格の優等生で非常に安いので、かさ増しできたり、実はタンパク質とかビタミンCとか食物繊維が入っている非常に中身としても優秀な食材なので、家計の味方だったが、それが値上がりせざるをえなくなるというのは、最終的に全体的な(物の)値上げを象徴するようなもの」

スーパー「31円のもやしが40円前後になるのでは…」

 こちら静岡市のスーパーでは、現在モヤシを1袋31円で販売しています。

ヒバリヤ高部店 大柳徹副店長
「現状、価格は据え置き。ただし、中国の原料が今、高騰していて2~3カ月後にはコストに跳ね返るのではないかといわれている。今、税込み31円で販売しているけど、それが2~3割上がると38~40円前後になるのではないか」

 これから上がることが予想される、モヤシの価格に買い物客は…。

Q.2~3カ月後に40円くらいになりそうだが…

静岡市民:「えー、そんなに上がるんですか。いやー困ります。今までが安くて買っていたので40円は高い。買う回数が減るだろうなと思う、上がってくれば」

静岡市民:「野菜炒めとか、よく使う材料だから、みんな買わざるを得ないかもしれない。まあ安い方だと思う」

Q.40円になったとしても

A.「まあそのくらいな物でしょうね。上がるんじゃ。それ以上上がると買わないんじゃない」

 ヒバリヤ高部店では1日に200袋ほどのモヤシを販売。しかし、値上げした場合、量を減らして発注することも考えているそうです。モヤシの値上げで懸念されることはほかにも。

画像: スーパー「31円のもやしが40円前後になるのでは…」

ヒバリヤ高部店 大柳徹副店長
「(もやしは)どんな料理にもよく使われる商品で、お肉以外、魚にも何でも合う商品。なので、もやしが購入できないということになると、やっぱりお肉や魚が一緒に売れなくなってしまう可能性が十分にある。10年以上値上げしていない商品で、今まで安いというイメージがある商品だから、それが10円20円上がってしまうと、倍以上上がっているという感覚に、とらえられてしまうので、やっぱりこの商品に関してはなるべく価格を据え置きたいという意思はある」

生産者は「温度管理する原油も高騰」

 それでも、今の状況が続けば、数か月後には値上げが、現実になりそうだということです。

 モヤシを作る工場では…

画像: 生産者は「温度管理する原油も高騰」

県内のもやし工場関係者は、静岡朝日テレビの取材に対し次のように話しています。
 「原料となる緑豆は1.3倍ほど上がり、モヤシの栽培で温度管理をするのに必要な原油も高騰。まさにダブルパンチという状況になっている。今は、出荷するモヤシの納品金額を上げている最中」

もやしがつきもの…浜松餃子の店は

 そんなモヤシを使う名物といえば……浜松餃子です。

画像: もやしがつきもの…浜松餃子の店は

石松餃子本店 松村直紀店長
「10個入りで40~50g、20個入りで100g(もやしを使う)」

冷蔵庫を見せてもらうと…

石松餃子本店 松村直紀店長
「こちらの量でだいたい2日分くらい、平日で10kgくらい使っているので、その中で今ここで20kgくらい用意している」

Q.休日だと棚はどれくらい埋まる?
A.「これがすべて埋まる形。1日で40~50kg使っているので、これの倍以上の数、納品してもらっている」

Q.じゃあこの上にもう1段?
A.「そうですね。」

 静岡県と愛知県に7店舗を展開する石松餃子。今後、モヤシが値上がりしたら影響は避けられません。

石松餃子本店 松村直紀店長
「1店舗あたりだと、そんなに上がらないかもしれないけど、全店舗合わせたり1日、1週間、1カ月になると大きなダメージになるとは思う」

 実は石松餃子は4月、一部の店舗のメニューを10円から30円値上げしました。

石松餃子本店 松村直紀店長
「小麦やごま油の値段が上がっているので、今回、売価の改定に踏み切っている。これから先、もやしが上がったとしても、今回上げたので、(もう1度)値段を変えることはない。やっぱり、もやしは安くておいしい。見栄えがいいので、今の量と変わらず提供していきたい」

 家計の優等生ともいわれているモヤシ。私たちの暮らしに直結する値上げの波がやってくる中、どこまで「お得」を維持できるのでしょうか。