新型コロナで苦境の鉄道会社が作った缶詰の中身は「石」 そのワケは? 静岡県 天竜浜名湖鉄道
友光晃希記者:「こちらの缶詰ずっしりと重さがあります。振ってみると音もします。中に入っているのは食品ではなく、石なんです」
缶詰を作っているのは焼津水産高校の生徒たち。普段は水産加工品を扱っていますが、この日、缶に詰めていたのは、実際に線路に敷かれていた玉砂利と言われる石です。
石を並べると、缶の胴体部分とふたをつなぐ作業・巻締を行います。
缶詰製作を依頼をしたのは、掛川市と湖西市を結んで走る天竜浜名湖鉄道です。新型コロナによる外出自粛などの影響で、4月~7月の運賃収入は去年の同じ時期に比べて4割減。
千葉と新潟の鉄道会社と協力し販売した「石の缶詰」が大人気
そこで7月に、千葉や新潟の鉄道会社と協力し、線路の石の缶詰を販売したところ、たちまち完売となりました。あまりの人気にもう一度販売することを決め、缶詰制作の技術を持つ焼津水産高校に協力をお願いしました。
焼津水産高校 食品科学科 福島杏さん(2年):「初めて食品以外の缶詰を詰める作業をしてとても楽しかった。缶詰の石を買うことで身近に鉄道を感じてもらえたらうれしい」
焼津水産高校 食品科学科 山内歩くん(2年):「コロナで大変だと思うので、一つでも多く売れてほしいと思うし、買ってくれた人には石を大切にとっておいてもらいたい」
焼津水産高校 食品科学科 小俣佳己先生:「私たちができることがあれば、これからも協力はしていきたいと思っている」
この缶詰は来月上旬、天竜二俣駅の売店で1個550円で販売される予定です。