土石流災害の被害者遺族ら 静岡県と熱海市に64億円余りの賠償求める訴え 地裁沼津支部
2021年7月に起きた静岡県熱海市の土石流災害の遺族らが、県と熱海市を相手取りおよそ64億円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
白鳥衛記者:「午後1時です。遺族らが集団訴訟を起こすため地裁沼津支部に入っていきます」
訴えを起こしたのは土石流災害の遺族や被災者など113人で、県と熱海市に対し64億750万円余りの損害賠償を求めています。
原告らは熱海市について前の土地所有者から不備が多い盛り土の届け出を受け取り、その後危険性を認識しながらも措置命令の発出を見送ったことや、発災当日に避難指示の発令を怠ったことなどを指摘しました。
また県については熱海市への指導を怠ったことや、盛り土の危険性を認識しながら情報共有や業務の適切な引継ぎをせず、代執行を含めた適切な対応を怠ったことなどを挙げています。
母親を亡くした被害者の会
瀬下雄史会長:「私も発災の後市役所で窓口の職員などに非常に親切に丁寧に対応していただき、個人的にはそういう方も含めて訴えていくのは心苦しいところは正直ある。とはいえそこを差し引いても行政訴訟をしないという選択にはならない」
提訴を受け川勝知事は「御遺族、被害者の皆様のお気持ちを真摯に受け止め、誠実かつ適切に対応していく」とコメントを発表しています。