リニアトンネル工事による発生土置き場の安全性について「河川管理者としての静岡県の責任は?」難波静岡市長が疑問を投げかける

リニア新幹線のトンネル工事で出た土をどこに置くのかという問題がクローズアップされています。静岡市の難波市長が県の姿勢にかみついています。どういうことなのでしょうか?

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リニアトンネル工事による発生土置き場の安全性について「河川管理者としての静岡県の責任は?」難波静岡市長が疑問を投げかける

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静岡市 難波喬司市長 6日:
「JR東海に対処だけ求めるというのは、河川管理者としての(静岡県の)責任がどうなのか問題にせざるを得ない。」

 先週、静岡市役所で開かれたリニアのトンネル工事に関する協議会。

 難波市長が「県にも問題がある」と言及したのは、リニアトンネル工事による発生土置き場の安全性についてです。

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 南アルプストンネルの工事で出た発生土の置き場は、静岡市葵区の「ツバクロ」が候補地の1つです。

 ところがこの場所では土壌の中が崩れる深層崩壊が起きる懸念があるとして、県はJR東海に再検討を求めています。

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 さらに、実際に災害が起きた場合の環境保全策をJR東海に求めていて、これに難波市長が苦言を呈しました。

静岡市 難波喬司市長 6日:
「河川管理者である県は、盛り土なし状態だが、その状態において、現在の河川の管理状況はどの程度の安全水準を確保しているかを示すべきである。県がそれを行うことなく、JR東海に対し盛り土の存在による河川水位、および土石流の変化を示して安全確保を求めているのであれば、その妥当性については疑問がある」

 かつて県の副知事や理事として最前線でリニア問題に向き合って来た難波市長。

画像3: リニアトンネル工事による発生土置き場の安全性について「河川管理者としての静岡県の責任は?」難波静岡市長が疑問を投げかける

 「盛り土がない状態で深層崩壊が起きると、河川にどんな影響が出るか、河川管理者の県が評価すべき」という見解を示しました。

 ツバクロを発生土置き場の候補地として議論を進めることに「否定する理由はない」と述べています。

JR東海の丹羽社長も

 この問題に関しては、JR東海の丹羽社長も県に疑問を投げかけています。

JR東海 丹羽俊介社長 7日
「河川管理者である静岡県が、どこでどんな被害が出ることをリスクとしているのか、深層崩壊などについて(現状)どのような被害を想定して、どのような対策を施しているかについて具体的に伺いたい。当社としてはツバクロ発生土置き場が適地であると考えている」

画像: JR東海の丹羽社長も

静岡県の反論

 一方、県は、法律上、リスクを考える立場にないと反論します。

県担当者:
「我々も改めて河川管理法を確認した。(そのなかで)基本的には水系ごとに国が整備の指針を作って、それに基づいて河川管理者が管理するという立て付けになっているので、その中に土石流や土砂移動に関するリスクを考慮しろという方針になっていない」

画像: 静岡県の反論

怒りをあらわにする難波市長

画像1: 怒りをあらわにする難波市長

静岡市 難波喬司市長 6日
「熱海の土石流が起きてよくそんなことが言える。あれは土石流ですよね。河川管理者としてあれは全然問題なかったということか。今の回答はあまりにもひどい。河川管理者としての責任を放棄している。河川法のなかでは流水について書いてあるから、土石流について考慮しなくていいなんてことを世の中に言える?」

 県の回答をめぐって難波市長が怒りをあらわに。

 この協議会では、次回も「発生土置き場」について議論される予定です。

 静岡市は今後、見解を県とJRに伝える方針です。

画像2: 怒りをあらわにする難波市長