藤井聡太七冠がトークショー…友達になりたい駒は「桂馬」そのワケとは 悩みは「二度寝」? 静岡・牧之原市
掛川市から
夫)やっぱり、藤井聡太さんですね。
妻)私も。かわいい!
夫)どういう頭の中になっているのか興味があるもんで。あれだけ強いんだもん。
牧之原市から
「僕とほとんど年齢が変わらないのに、あそこまで頭が冴えているところが、本当に素敵だなと思っています」
始まるおよそ1時間前にもなると…この行列。県外から来た人も少なくありませんでした。
来場客 60代
「千葉県です。話が聞けるのを楽しみにして来ました」
来場客 40代
「長野県です。生で直接姿を見て話を聞けるのが楽しみ」
中には、栃木や福岡から来た人もいたんですよ。
今回のトークショーは事前申込制。全国から300人の将棋ファンが集まりました。いよいよその時が…。
悩みは「二度寝」?
割れんばかりの拍手の中、皆さんお待ちかねの藤井七冠が姿を見せました。牧之原市の印象を問われると…
藤井聡太七冠:「牧之原市に来るのは去年の王位戦第5局に続いて2回目になる。去年初めて来て、その時も掛川駅から車でこちらに来たが、車に乗って気が付いたら、周りが一面茶畑になっていて、ビックリした。本当に素晴らしい絶景で、その後、今度は海が見えてきて、コントラストも鮮やかで、本当に素晴らしいところだと思ったことを覚えている」
日々、多くの対局に臨む藤井七冠ですが、どうやってリラックスしているのでしょうか?
藤井聡太七冠:「まずは寝ることです。どうしても対局が続くと準備であったり、振り返りであったり、というところに気が向くところはあるが、やっぱり何より対局にいい状態で臨むというのが一番大切なことなので、それを意識しています。ただ家だと結構二度寝してしまうことがあって、それで結果的に(睡眠時間が)10時間とかになっているので、二度寝はやめて、なるべく8時間くらいにとどめたいと思っている」
あの藤井七冠でも「二度寝」に悩むなんて、なんだか親近感がわきますよね。
「王位戦」第6局は幻になったものの…
今回行われたこのトークショー。実は、もともと予定されていたものではなかったんです。牧之原市では、今月「王位戦」の第6局が開催される予定でした。ただ、第5局で藤井七冠が防衛を決めたため、第6局は幻に…。
しかし、8月末、牧之原市に思わぬ吉報が届きました。
牧之原市教育委員会 長谷川倫和さん:「8月の終わりにトークショーを行うと主催者から連絡がありました」
伊地アナ:「打診していた?」
長谷川さん:「そうですね」
伊地アナ:一報を聞いたとき、どんな感じだった?
長谷川さん:「本当いいんですか、よろしいんですか、来ていただいてと思った。藤井王位は、前人未到の八冠をかけて王座戦を戦っているので、やはり負担になってしまう。非常にありがたいというか、本当に深く感謝するしかない」
藤井七冠が王座戦に挑んでいる中にも関わらず、トークショーが決まった理由について、長谷川さんはこう分析しています。
牧之原市教育委員会 長谷川倫和さん:「将棋界の盛り上がりも今だけではなく、未来のことも考えていると思う。未来に向けて将棋ファンを増やす、あるいは未来の将棋の棋士を増やす、そういったことが将棋界にとって一番いいと考えているから今回、受けてもらえたと考えている」
将棋による街づくり
というのも、牧之原市では、将棋による街づくりが進められているんです。
江戸幕府で老中を務めた、田沼意次。実は、将棋を特技としていたという記録が残っています。その意次が、牧之原市で城主を務めていたことから、市では、タイトル戦誘致のほか、子どもを対象にした将棋大会を開くなど、次の世代に向けた将棋の普及に努めているということです。
友達になりたい駒は何ですか?
今回行われたトークショーでは、子どもたちからの手紙も紹介され、中には、藤井七冠へのこんな質問が…
司会:「休憩時間によくおやつを食べていますが、子どもの頃の好きなおやつやお菓子は何ですか」という質問には、どうでしょうか?
藤井聡太七冠:「子どもの頃ですと、チョコとグミをよく食べていたと思います。けど、食べだすと止まらないというところがあって、両親に止められていました」
さらには、こんな質問も…
司会:友達になりたい駒は何ですか?
藤井聡太七冠:「何でしょう、うーん…」
まさかの長考…出した答えは?
藤井聡太七冠:「じゃあ、桂馬で。桂馬というのはうまく使えばすごく強い駒なんですが、逆に相手に取られてしまうことがあるので、できれば取られないでいてほしいということで、はい」
なるほど、桂馬なんですね。今戦っている王座戦でも、桂馬を友達にして、いい勝負ができるんでしょうか、注目ですね。
王座戦への抱負は
およそ1時間に及ぶイベントの最後、藤井七冠が、その王座戦への抱負を語りました。
藤井聡太七冠:「今、王座戦が多くの人に注目してもらえる舞台になるかなと思っているので、そちらで、全力で対局に臨んで、できる限り面白い将棋が指せるようにがんばっていきたいと思います。また、牧之原に訪れる機会があることを楽しみにしております」