静岡県初のオリンピック競技…自転車ロードレース 小山町では前日も準備に大忙し 町民は「その時間だけは外に出て観戦」
1年の延期を経て、県内で開催されるオリンピック自転車競技。最初に行われるのは東京をスタートし、ゴールの小山町の富士スピードウェイまでおよそ250キロを駆け抜ける男子個人ロードレースです。本番前日の富士スピードウェイでは、23日朝から関係車両が頻繁に出入りし、会場近くには海外選手の姿や、自転車愛好家たちの姿が。
多くの自転車愛好家が…
神奈川県から
「隣の峠のコースの一部を走ってきた。(峠は)激坂、途中で足をつかないように頑張って上ってきました」
群馬県から(50代夫婦)
「あすから(ロードレースの)ボランティアに入るので、きょう前乗りで来て、せっかくなのでちょっと。選手の気持ちになって…。今どこかの選手が行ったけど、走られる選手がいればいいかなと(試走してきた)」
こちらの夫婦はオリンピックのチケットが当選していましたが…。
群馬県から(50代夫婦)
「陸上男子200メートル決勝のチケットが当たっていた。それが無観客になってしまって。それはすごい残念なんですけど。家で見ようかなって…」
こちらの男性はお隣の御殿場市から訪れていました。
Q.これ(ハッピ)はどうしたんですか?
御殿場市民(50代)「友達3人でデザインを作って、見に行くために作りました。(コロナ対策のため)声は出せないので、自分で作ったボードを書いてきて、自分なりのオリンピックを作っていきたい」
静岡県「競技終わったら速やかに帰宅して…」
公道を走るロードレースですが、コロナ禍での開催のため、大会組織委員会や静岡県は沿道での観戦は自粛を求めているのです。
静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(22日)
「県民の皆様におかれましては、チケットホルダーの方は万全の感染対策、県外から、感染拡大地域から観戦に来られる方は、直行直帰、試合を見に来られると思うので、試合や競技が終わったら速やかにご自宅、地元へ帰っていただきたい」
PV会場も急きょ変更…職員は準備に追われ
そのため、小山町では沿道で観戦する人のために用意していた駐車場をなくし、パブリックビューイングの会場も急きょ、町の総合文化会館に変更。その会場では、開催が翌日に迫った23日も職員が準備に追われていました。
静岡・小山町オリパラ推進局 渡辺理絵副参事
「もともと小山町はいろんなところで沿道観戦を楽しんでいただけるということを目標にしてきました。沿道観戦自粛というのが9日に発表されて、そこから全てを白紙に戻す形になりました。急きょ、3週間前に会場を『道の駅須走』から文化会館に変更したということもあって、24日のオープンまでこのまま突っ走って準備をしようという形になっています」
入場は県民限定で事前予約制。収容人数も定員の半分の最大500人としました。24日は満席、25日もほとんどの席が埋まっているそうです。
小山町オリパラ推進局 渡辺理絵副参事
「コロナ禍でオリンピックについていろんな意見があると思うが、しっかりと対策を施して安心安全にお楽しみいただきたい」
沿道での観戦自粛の呼びかけに、ロードレースのコースとなっている小山町須走地区の住民は…。
住民「その時間だけ外に出て観戦します」
住民 「家の前がコースなので、その時間だけ外に出て見ます。密にならなければ見てもいいと思う」
競技のコースでは24日昼過ぎから午後6時半ごろまで交通規制が実施されます。コースに面した飲食店からは―
飲食店の女性
「予約が入っているので、みんなでテレビで見る。選手が来たら外に出て応援する。観戦自粛については複雑。コロナがなければ…」
ゴール前のレースの山場は
沿道での観戦自粛が要請される状況とはいえ、せっかく県内で初めて行われるオリンピック競技はできるだけ楽しみたいもの。 選手たちが静岡県に入れば、レースは終盤戦に突入します。中でも一番の勝負どころになるとみられているのが…。
最大勾配20%、平均斜度10%、小山町の明神峠。激しい坂=激坂として知られ、ここでメダリストが決まるとの見方も…。
獲得標高と呼ばれる、スタートからゴールまでの累積の標高差が4856メートルにもなる男子ロードレース。レースは24日午前11時に東京をスタートし、アップダウンの激しいコースを駆け抜け、夕方にも富士スピードウェイでゴールを迎えます。
(7月23日放送)