土石流災害巡り論戦…「条例見直さなかったのは、行政の怠慢」 知事「改正して厳しくする」 静岡県議会
19日の県議会では、熱海市伊豆山地区で3日に発生した土石流の犠牲者を悼み、黙とうがささげられました。
静岡県 川勝平太知事:「これまで経験したことのない甚大な被害をもたらし、18名の尊い人命が失われた。犠牲者となられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます」
「黙とう」
自民改革会議「条例を見直さなかったのは、行政の怠慢」 知事「条例を厳しく改正する」
19日午後に開かれた代表質問。土石流被害について質問が相次ぎました。
県議会最大会派の自民改革会議。土石流の被害を甚大化させたとする盛り土について、県の責任を問いました。
西原明美氏
「過去に県が許可違反や産業廃棄物の撤去等について、指導していた他、熱海市が条例に基づき、工事完了届の提出と土砂搬入中止を要請していましたが、土地所有者が変更した平成23年以降指導がなされていなかったとされます。条例の制定が施工された昭和51年からこれまで平成4年に罰金を現在の金額に変更した以外は主な見直しがされてこなかった。これは行政の怠慢と言わざるを得ません」
川勝知事は、土石流の発生原因や行政手続きについて、調査中としたうえで、条例を改正する方針を明らかにしました。
静岡県 川勝平太知事
「土石流災害の直接の原因は長雨蓄積型の豪雨ですが、上流部の盛り土の崩壊が被害を拡大させたと推測している。盛り土に対する、県民の不安を払拭するために、一刻も早く必要な調査を行い、実態に即して、条例がより厳しいものとなるよう、改正の手続きを速やかに進めていきます」
ふじのくに県民クラブ「点群データでの計測を進める必要がある」 知事「今年度末までには…」
また、知事与党のふじのくに県民クラブは、県が現場調査に活用している3次元点群データの活用について質問しました。
佐野愛子氏
「今後、盛り土や老朽化した県施設など点検が求められる。そのためにも、全県の点群データでの計測をいち早く進める必要がある」
川勝知事
「今回、災害発生時の点群データ活用の有用性を確認できたことから、県では中部、西部での点群データの取得を進め、今年度末までにおおよそ静岡県全域を網羅したいと考えています」
県は熱海市と連携し、被災者への支援を進めていくとしています。