「第4波の始まりか…ピーク時には医療崩壊の恐れも」静岡県の専門家会議 病床不足を懸念…/週末の会見まとめ

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(23日):「第4波の始まりかけではないかという意見が共通でした。本格的な第4波が到来した場合は、急激な感染爆発が起こって、医療崩壊のリスクがあるといった意見でした」

画像: 静岡県の専門家会議  23日

静岡県の専門家会議  23日

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(23日):「第4波の始まりかけではないかという意見が共通でした。本格的な第4波が到来した場合は、急激な感染爆発が起こって、医療崩壊のリスクがあるといった意見でした」

 23日に開かれた静岡県の専門家会議で「医療崩壊」という言葉を使って危機感が示されたのは、第4波のピーク時に起こりえる病床不足についてです。

 変異株によってすでに感染が急拡大している関西の状況から、1日あたりの新規感染者数が、第3波で最も多かった日の1.78倍になると試算した場合、県内では、およそ800床が必要になり、このままでは病床が足りないというのです。

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事:「本県も(1日の感染者数が)最多だった127人の1・78倍を想定すると226人で、病床が788床必要となる」

Q.800床必要だというが、現状は?

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(23日):「500床台。788床には届かないという現状。感染爆発がおきたら助かる命が助からなくなるという意見が主流でした」

 感染抑制のため、会議の中で専門家から提言があったのが…。

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(23日):「県内で予定される大規模イベントは専門家会議から中止を求めていきたい。県内旅行を推進する県の事業も、今の段階では難しいのではないかという意見がありました」

 大規模イベントについて、会議の中では具体的な名称はあがらなかったといいます。とはいえ、今週木曜から始まるゴールデンウィーク中には県内最大級のイベント、浜松まつりが規模を縮小して2年ぶりに開催予定。県による、県内旅行を対象とした県民割も、来月末までの延長が決まったばかりです。

川勝平太知事は

画像: 川勝平太知事は

 専門家会議の見解に川勝知事は― 静岡県 川勝平太知事(24日):「今は第4波、変異株の急増という中でこうした意見が出たのは当然だと思っている。大きなイベントをすると、どうしても感染の可能性が高い。(イベント主催者に)徹底的な注意喚起を再度きのう出したということ、これしか今のところできないという状況」

変異株のゲノム解析を三島市の国立遺伝学研究所で

その川勝知事が全国知事会で明らかにしたのが― 川勝知事:「三島市の国立遺伝学研究所の協力を得て、変異株のゲノム解析を今月中に開始することといたしました」

 県によりますと、国立遺伝学研究所では1日最大50検体を解析可能で、最短で翌日の夕方には検査結果が判明するということです。

川勝知事:「これまで東京に送って検査してもらっている。時間もかかります。積極的に国立遺伝研が検査に協力いただくのは本県にとって本当に強みです」

「クラスターが多数発生すれば1日の感染者が40人、50人になる懸念が大きい」

 こうした中、県内では週末にかけて、感染者が急増し、医療をひっ迫させる要因となるクラスターの発生が相次ぎました。

静岡市の担当者(24日):「このクラスターは駿河区内の事務所兼作業所で発生したものです」

 静岡市では駿河区にある製造業の事業所で社員5人が陽性となるクラスターが。富士市でも、製造業の事業所で従業員5人が感染するクラスターが発生。1人は変異株に感染したことが分かっています。

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(23日夕方):「このクラスターについては、変異株クラスターの可能性があるので今後、この関係の方を変異株検査する」

 さらに、浜松市では東区の浜松労災病院で26日までに患者7人、医療従事者4人、家族1人のあわせて12人の感染が判明。去年12月以来、2回目のクラスター発生を受けて病院では救急外来の新規受付を停止しているということです。

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(23日夕方):「今後おそらくほとんどのクラスターは変異株になると想定されるので、中規模クラスターが多数発生すれば、すぐに(1日の感染者が)40、50人になるだろうという懸念が大変大きい」