コロナ禍の新スタイル「ドライブスルー」婚活 1人5分以内、会話はトランシーバー 静岡・富士市
土曜日で閉まっている富士市役所の駐車場に車の列。その数、20台以上。車の中を見てみると、運転手がトランシーバーを手に話をしています。 男性:よろしくお願いします。
女性:よろしくお願いします。
婚活会場は富士市役所の駐車場
17日、市役所の駐車場で開催されたのは婚活イベント。その名も「ドライブスルー無線婚活DOUZO(ドウゾ)」。市と地元のラジオ局が企画しました。 3密になりやすい婚活イベント。コロナ禍での新しいスタイルを目指し、参加者はそれぞれの車に乗ったまま、トランシーバーで会話をします。
イベントの最大の特徴は… 富士市役所とラジオ局スタッフのデモンストレーション
渡辺です、よろしくお願いします。どうぞ。
大石です、よろしくお願いします。どうぞ。
トランシーバーを使うため、相手に会話を渡すときには、無線特有の合図「どうぞ」と言うのがルールです。1人当たりの会話時間は5分まで。イベント中は車から降りることはできませんが、トランシーバー越しならではのドキドキ感があるといいます。
ラジオ局のスタッフ:「この距離感が何とも言えなくて、届きそうで届かない感じがちょっと良いなと。ドライブスルーならではなのかなと思った」
この日、イベントには市内外から20代~40代の男女、合わせて23人が集まりました。初めての体験に期待と戸惑いが入り混じっていました。
参加者 30代男性:「自分の車を洗車とか、色々どうしようかと考えた。結局雨だったので、そこまではしなかったが、(車内の)片づけは簡単にはやったし、きちんと洗車した方がいいのかなとか考えてしまう」
午後2時、イベント開始です。
●アナウンス それでは無線機をお取りになって楽しい会話を始めてください。どうぞ!
1人の持ち時間は5分しかないため、参加者には市が事前に集めた参加者のプロフィールなどが配られます。
男性は、雨に打たれながらも必死のアピール。トランシーバーに思いを込めます。
1回目の会話が終わると、席替えです。
林アナ 「いま片方の車だけが動き出しました。というのも、女性はその場にとどまります。男性側だけが動いて、次の女性の元に向かうんです。まさにドライブスルーのように行われています」
男性陣はスタッフに誘導されながら、次の女性の車へ。全ての参加者と会話するまで、順番に移動します。
全員と話し終わったら、市の担当者を通じて自分の連絡先を記載したカードが気になった相手に手渡されます。お互いにカードを貰うことができればペア成立です。
車窓越しにトランシーバーでつながる、恋の始まり。新しい婚活スタイルに、参加者たちは満足そうでした。
参加者 20代女性:「無線で話をしたので、新鮮な気持ちで話ができた。表情が見えたので、マスクも取れてどんな表情をしているかが分かったので良かった」
参加者 20代男性:
「全然不自由とかは無かったので良かった。基本的に自分は人見知りをする方なので、対面だと上手く話せないと思うが、こういう形であれば多少は上手く話せるのでそこは良かった。
参加者 20代女性
やっぱり話しやすかった。車で話しているのですごい話しやすかった。
Q 気になった方はいた?
気になった方ですか…そんな特にはいなかったかもしれない。
まだ初めてなので、また今後に期待をしたいと思う。
この日のために車をきれいにしたという男性は…
参加者 30代男性
Q 連絡先伝達カードいただきました?
いただきました!
Q 何通ぐらい?
2通。
Q そのなかで気になった方はいましたか?
いました。
Q どうしてその人が気になった?
話した感じがすごく丁寧で、トランシーバー(の会話が)終わったあとに、「ありがとうございました、楽しかったです」と言ってくださったので、それが良かったです。
人口減少や少子化に悩む自治体にとっても収穫があったようです。
富士市担当者
「無線機を通じて楽しそうに会話をする姿を見て、雨の中だったがやって良かったなと実感している。この婚活イベントは少子化対策に少しでも歯止めをかけるという意味では、重要な取り組みだと考えている。「DOUZO」を続けるかどうかは現時点では未定だが、コロナ禍においても男女の出会いの場を今後も設けていきたいと考えている」 感染症対策の距離を取りながら、心の距離を縮めるドライブスルー婚活。新しい婚活の形として定着するかもしれません。
(10月19日放送)
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