GoToイートの「抜け穴」で荒稼ぎ…苦悩する飲食店の対策は 静岡市
ランチで500円、ディナーで1000円分のポイント
中野アナ:
「こうした予約サイトを使ってお店を利用すると、ランチなら500円分、ディナーなら1000円分のポイントを受け取ることができます」
実際に予約した静岡市内の居酒屋で、1580円分の食事をした中野アナ。ディナーの利用なので、これで1000円分のポイントがつきます。
1品だけ頼んで673円の利益
コロナの影響で深刻な打撃を受けた飲食業界を支援しようと始まったこの政策。ところがいま、この制度の「抜け穴」を利用して、「荒稼ぎ」する人たちが出てきているというのです。
ツイッターには「1000円分ポイントもらって、水と焼き鳥だけ頼んで327円。673円の利益」といった書き込みが。
問題点は、ポイントがもらえるGoToイートの仕組みです。オンラインサイトを経由して飲食店を予約すると、夕食時には、払った金額に関係なく、1人につき1000円分のポイントがもらえます。
予約サイトに対して1人につき200円の手数料の支払いが生じた場合、298円を売り上げても、98円しか残らず、実質損をしている計算になるといいます。
飲食店「手数料が安いサイトのみ予約受け付け」
中野結香アナ:「静岡市内にあるこちらの飲食店Gotoイートの想定外の利用について自衛の対策を取ったと言います」
静岡市内の洋食居酒屋では、ランチだと1品264円から、ディナーなら374円から注文することができます。これまでに1品だけを注文するポイント目的とみられる客は来ていませんが、そうした客が訪れた場合に負担となるのは、やはり予約サイトに支払う手数料だと言います。
ワイン食堂ぐるまん 馬瀬隆司店主:「単価が一番安いものだと、昼だとランチdeアイス240円(税抜き)というのがある。それの単品だけだと、確かに払う手数料を考えると残る利益というのは少なくなる」
こちらの店では、単価が安い料理を1品だけ提供した場合、食材費や人件費などを引いたその利益は10%以下になると言います。そこからさらに手数料を支払えば赤字は避けられません。そこで…。
ワイン食堂 ぐるまん 馬瀬隆司店主:「少しでも手数料が安いサイトのみ予約の受け付けということにしている」
店が登録している予約サイトは「ぐるなび」と「ホットペッパー」の2つで、サイトに支払う手数料はそれぞれ異なります。「ぐるなび」はランチなら1人につき50円、ディナーなら200円を支払っています。
一方、「ホットペッパー」は、ランチでは1人あたり10円と、5分の1に抑えられるそうです。そこで、ランチの予約に使うサイトはホットペッパーだけにして、もし、1品のみの注文があった場合でも、赤字を抑えられる対策を取りました。
しかし、予約の方法を限定してリスクを回避しようとすれば、客足が減ってしまうジレンマを抱えることになります。
ワイン食堂ぐるまん 馬瀬隆司店主:「こういった手数料が(国の)サポートがもらえる対象になったら、サイトだけが潤うんじゃなくて、店側の負担も少なくなるということでメリットをさらに感じることができてありがたい。1人でも多くお越しいただきたいということで、この政策に参画しているところが多いので、少しでも多くたくさん食べていただいて、売り上げを元に戻したいというのが本音」
街の声は… 「お店に対して失礼」
スミス春子アナ:「GoToイートキャンペーンのポイント利用の仕方について
街の人からは店側を心配する声や規制を設けた方がいいのではという声が聞かれました」
静岡市 20代女性:「使う側からしたらありがたい面ではある。今、ポイントで支払うことが増えているので、今後そういう(ポイント荒稼ぎをする)流れになっていきそうかなとは思う」
磐田市 20代男性:「飲食店に悪い影響じゃないけど、(1000ポイントと)差額がなさすぎるので、使い方は考えてほしい。僕がもともと働いていた飲食店がコロナでつぶれてしまったけど、そういうお店が増えてほしくないので、打撃受けるかなと思ってしまうので、より一層(やる人は)考えてほしい」
静岡市 30代女性:「お店に対しても失礼じゃないか、一品だけ頼むというのも。一品だけ頼んで次のお客さんがどんどん来てくれるというわけでもない。作っている方も作っている甲斐がないんじゃないですか」
中にはGoToイートキャンペーンの制度自体に言及する人も…
静岡市 20代女性:「損する人と得する人の差が出るキャンペーンはあまりよくないんじゃないかと思う。1000円以上とか、お客さん側の規定を決めたりとか、何品以上と、お金じゃなくて商品の数を決めたりだとかした方が。やっぱり(お店もお客も)ウィンウィンな関係がいいと思うので、そういった感じにした方がいいと思う」