2011年には熱海市が盛り土の危険性認識 造成した不動産会社に関する書類など公表 静岡・熱海市の土石流災害で
静岡県は
18日午後、会見を開いた難波副知事。熱海市が発出を見送った措置命令について「出すべきだったと考えている」と話しました。
静岡県 難波副知事
「全く違う工事がされているから、それに対して是正工事をしない理由はない」
熱海市伊豆山の土石流災害をめぐっては、県が現在と前の盛り土の土地所有者に対する行政指導などに不備がなかったか調査を進めています。県は盛り土を造成した神奈川県小田原市の不動産会社「A社」が、熱海市に提出した土地開発に関する許可申請書などおよそ4000ページに及ぶ当時の資料を県のホームページに公表しました。
当時の打合せ資料から2011年5月には、熱海市が盛り土の危険性について認識していたことが分かりました。
難波副知事の質疑
Q.どうして発出されなかったのか?
A.「なぜ発出しなかったのか、私どもも市に聞いたが、まだよくわかっていない。それが実態です」
熱海市によりますと、現在の所有者の関連会社が排水設備の改修工事を行ったため発出を見送り、経過を観察するよう判断したということです。県は12月に弁護士らで構成する委員会を立ち上げ、これまでの行政指導について不備がなかったか検討を進めるとしています。
難波副知事:「県の関係だけでもA社については4カ所で指導している。措置命令を出すべきかについて必要だったと思うが、命令を出したら相手がそれに従っていたかは別の問題」
熱海市は
一方、熱海市の会見では措置命令の発出を見合わせた判断について質問が相次ぎました。
記者質問
「このような大規模な土石流が起こってしまった。市長の判断は間違ってなかったか」
熱海市 斉藤栄市長
「客観的な評価が必要だと考えていますが、この時点で、大きな今回起こったような土石流が発生することは想定しておりませんでした」
記者質問
「市の責任は認めているか」
熱海市 斉藤栄市長
「今の時点で責任はあるかどうかというのは、これから詳しい調査を進めなければなりませんし、最終的には司法の判断に委ねざるをえないというのが現時点での考え」
被害者の会は
これらの報告内容を聞いた被害者の会は都内で会見を開きました。
弁護団共同代表 加藤博太郎弁護士
「長年違法な盛り土が放置されていた。それを市や県が認識していたといったことが明らかになりました。違法な盛り土、殺人盛り土を行った業者に対する法的責任追及がしやすくなった。刑事上の責任も民事上の責任もより明らかになってきたのではないかというふうに考えています」
被害者の会代表 瀬下雄史さん:「重大な過失があったと言わざるをえないかな、というふうに思っています。最終的に出てくる総括に関しては、誠実な自分たちの過失をお認めになった上で、総括といったものが出てくることを切に願っております」