静岡・熱海市の土石流災害 遺族らが刑事告訴へ「怒りが原動力になっている」 23人目の死者身元判明17歳の女子高生

藤井章人記者:「午前10時を過ぎた所です。雨は強弱を繰り返しながらやむことなく降り続けています。そのため、斜面を流れ落ちる水の量が普段より多くなっています」

画像: 静岡・熱海市の土石流災害 遺族らが刑事告訴へ「怒りが原動力になっている」 23人目の死者身元判明17歳の女子高生

 静岡県熱海市の伊豆山地区では、13日も朝から雨の中、捜索活動と土砂の撤去作業が行われました。週末は、西日本などに豪雨をもたらしている活発な前線の影響で、県内も大雨となる恐れがあります。

 午後4時、熱海市は大雨に警戒が必要だとして、伊豆山の一部地域に避難指示を発令しました。

 発生から1カ月半近く経過した熱海市の土石流災害。13日、新たに1人の身元が判明し、坂本紗花さん(17)と判明しました。これで死者は23人、行方不明者は4人となりました。

刑事・民事両面で責任追及へ

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 こうした中、13日午前、遺族や被害にあった住民らが立ち上げた「被害者の会」が会見を行いました。

被害者の会会長:「今回の事件をおこした原因を作った当事者たち、この人たちにしっかりと、まずは刑事責任を負っていただくことを直近の目標としている」

被害者の会 加藤博太郎弁護士:「人的被害、人災ではないかと考えている。今回の流出事故は、危険性が指摘されていながら起きてしまったというところで、盛り土を行った業者、放置した所有者にまず刑事事件の手続きに入っていきたい」

 被害者の会は土石流の起点にあった盛り土付近の土地管理が不適切だったとして、盛り土を造成した前の所有者を業務上過失致死傷罪で、その土地を購入した現在の所有者を重過失致死傷罪で刑事告訴するということです。

 被害者の会は、前の所有者が盛り土の施工に問題があり修繕工事をしなければならないと認識していた証拠もある、としています。

 「人災によってこれまでの生活を、大切な人を奪われた」。そう考える被災者が今、抱えているのは激しい怒りでした。

被害者の会副会長:「普通の生活、そんなに裕福でもなく、みんなで家族、町内会、近所のコミュニティでやってきたのが、なぜ急にこんなことになってしまうのかという、やるせないと言うか、怒りというか、そういう気持ちです」

被害者の会会長:「被害に会われた方々全員に共通するところは、今は怒りが原動力になっているというところ。こういう会を通じて結果を残していくことが、母の死を少しでも意味のあるものにすることになるだろうという風に思いました」

 「熱海市盛り土流出事故 被害者の会」は来週中の告訴状の提出を目指しています。会には現在、およそ30人が参加していて、今後も被災者を募り、損害賠償を求める集団訴訟も検討しています。

被害者の会会長:「まずはしっかり再発防止の抑止力になるのが、われわれ会の使命として負っているところだと思っている」