【リニア】「県民は肩身が狭い」「丹那トンネルの例もある」…気になる「水問題」「他県との関係」 静岡県民の本音は
ここのところ、何かと話題が尽きないリニア問題。水問題はもちろんのこと、残土問題や静岡空港の新駅構想など様々な議論が交わされています。そうしたなかで、街の人たちが“今、リニアに関して一番気になること”は何なのでしょうか。“本音”を聞きました。
「もうちょっと、うまくいかないかな…」
島田市民:「全くいい気持ちはなくて、やっぱり、もうちょっと批判じゃなくて、自分の意見を率直に言ってくれればいいんだけど、批判めいたようにしか聞こえないので、県民としてだんだん肩身が狭くなっているような気がする」
静岡市民:「川勝知事と他の方見ていると何か難しいと思う」
静岡市民:「なにか、もうちょっとうまくいかないかなと。結局(開業の)予定は決められてあったわけじゃないですか。それを川勝さんの意見で遅くなっていると思う」
川勝知事の名前と共に出てきた“気になること”それは…。
静岡市民:「だから、他県の人はどう思っているのかなというのが気になる」
川勝知事と他県知事の関係
山梨県・長崎幸太郎知事(13日):「山梨県と静岡県、この点で真摯な議論を積み重ねておりますが、決して感情的なケンカは全くしておりません」
6月13日、山梨県の長崎知事が会見の場で、あえて「ケンカ」という言葉を使って否定したのは川勝知事との関係です。南アルプスの水の“持ち主”をめぐる議論や、JR東海が山梨県側で進める「ボーリング」に、静岡県が「県境300mで止めてほしい」と一方的に注文をつけ、それに長崎知事が苦言を呈したことなどで注目を集めました。
川勝知事(13日):「山梨県の長崎知事が言われることは、もっともだと思っております」
山梨県との関係は改善されたようにも見えますが、こうしたギクシャクした状況は他のリニア沿線県とも…。
愛知県 大村秀章知事(去年6月):「あの場でいきなり紙を持ってくるとは思いませんでしたので、そこはちょっと、普通は常識的には、普通は事前にこういうことをしますよって話があるもんですわな。普通社会人ならね」
自身が会長を務めるリニア期成同盟会の加入をめぐる動きなど、これまでにも度々静岡県に対して“苦言”を呈してきた愛知県の大村知事。
一方でリニアを促進するため、川勝知事は過去に神奈川~山梨間の「部分開業」を提案したことも。
川勝知事(去年8月):「とにかくできるところからやっていく以外に建設を促進する方法はないだろうと」
これに反応したのは神奈川県でした。
神奈川県 黒岩祐治知事(去年9月):「日本列島をつなぐ大動脈をつくろうといった国家プロジェクトですから、部分開業というのはありえないと思います。
山梨県だけでなく、愛知県と神奈川県という「隣の県」から相次いだ苦言。静岡県も「建設促進期成同盟会」に正式に加入している今、
川勝知事が他の沿線県の知事たちとどうコミュニケーションを図るのか、県民も注目しているようです。
「水がなくなると困る」「丹那トンネルの例もある」
そして、やはり街の声でも「関心がある」という人が多かったのが…。
島田市民:「やっぱり大井川の水はなくなると、近隣の住民が困ると思うので、それが一番困る」
長泉町民:「私ら東部では(在来線の)丹那トンネルがあった。その時にやっぱり水がなくなってしまった」
静岡市民:「やっぱり水問題ですよね」
大井川の水問題
川勝知事(13日):「水はみんなのものであり、同時に誰のものでもある、誰のものでもないという、そういう性質のものではないかと思っております」
ここにきて、水問題は大きな局面に来ています。過去には川勝知事が「JR東海の地域貢献」とまで言っていた「田代ダム案」についても、先週、ダムを管理する東京電力とJR東海が協議を開始することを静岡県が認めました
前提条件を東京電力側が了承すれば、より本格的な協議が始まることになります。こうした動きに、街の人たちも関心を寄せているようです。
それでも多い「乗ってみたい」
沿線の自治体で唯一駅が無い静岡県ですが、街ではこんな声も聞こえてきました。
Q.開業したら乗ってみたい?
長泉町民:「そうですね、やはり乗ってみたい」
静岡市民:「機会があれば乗ってみたい」
島田市民:「乗りたいです。乗ってみたいです」
静岡県にとって、なくてはならない大井川の水。全量戻し策として田代ダム案の協議が本格化することで、「リニアに乗りたい」という希望も現実味を帯びてくるかもしれません。