新型コロナとインフルエンザのW流行で「薬が足りない」 県担当者「解熱剤などの備えも必要」 静岡県

 新型コロナの感染者が再び増えています。インフルエンザの流行期突入も重なり、薬が足りなくなっています。

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新型コロナとインフルエンザのW流行で「薬が足りない」 県担当者「解熱剤などの備えも必要」 静岡県

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薬剤師:「処方が必要な患者に薬を渡せないので、とても申し訳なく思っているが、コロナが流行している最中からずっと薬が不足していて、なかなか入ってこない状況」

 いま、静岡県内の薬局で深刻になっているというのが、「薬不足」。咳止め薬など、風邪症状に関する薬が足りなくなっているんです。その理由というのが…。

薬剤師 :「ここ数カ月、コロナ患者が毎日10人以上受診されていて、需要数の増加が一番の原因」

都内では救急現場がひっ迫

 現在、全国的に再拡大している、新型コロナウイルスです。

 都内では現在、コロナ患者の増加によって、救急の現場がひっ迫状態に。東京消防庁では9月に入ってからすでに2回、救急要請のひっ迫を表す「救急車ひっ迫アラート」を発令していて、厚労省が発表している国内の新型コロナ入院患者数の推移は、現在、“5類”に移行する前の“第8波”に迫る勢いとなっています。

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静岡県も1日3000人台が感染か

 感染拡大の状況は県内も例外ではありません。

静岡県感染症管理センター 後藤幹生センター長(13日):「だいたい県では推計の感染者数が1日平均で3000人台ぐらい今もあると考えています。みんなに検査をするという時代ではなくなっているので、実際はもう少し感染者は多いと考えている」

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 県感染症管理センターの後藤センター長が話すように、最新のデータで1日あたりの感染者数は、県全体で、およそ3000人と推計されていて、県内すべての地域で「感染拡大警報レベル」が発表されています(9月15日時点)。

 県が発表している最新の新型コロナ感染状況によると、9月4日から10日までの1週間で、定点医療機関あたりの新型コロナウイルス感染者数は23.83人。前の週と比べて2.82人減少し、およそ0.89倍となっています。

感染力強い「エリス」が広がっているか 新たな変異株「ピロラ」も

画像: 感染力強い「エリス」が広がっているか 新たな変異株「ピロラ」も

 こうした中、国内では感染力の強い新たな変異株である通称「エリス」の感染が広がっているとみられています。さらに先週には「ピロラ」と呼ばれる新たな変異株も国内で初確認されたことが発表されました。

後藤幹生センター長(13日):「(エリスは)やはり免疫を回避する力が強くなっている。つまりワクチンを打ってついた免疫であるとか、以前にオミクロン株にかかった方が持っていた免疫を回避して感染しやすくなる。(ピロラは)素性・性状も分からないんですけど、「BA2.86(ピロラ)」ということは、BA.2(オミクロン株)の系統であることは間違いないので、BA.5(オミクロン変異株)の時代は終わって、BA.2が主流になってきていることは分かります」

薬局は解熱鎮痛剤やたんきりなど不足

 こうした状況のなか、深刻な「薬不足」に県内の薬局は。

 こちらは、静岡市内に調剤薬局9店舗を展開する「すずらん薬局」。現在、“解熱鎮痛剤”や“たんきり”など、風邪の症状に関する薬が全般的に不足状態に。発注をしても入荷できるのはわずかな量だといい、なかでも特に困っているのが咳止め薬だといいます。

画像: 薬局は解熱鎮痛剤やたんきりなど不足

すずらん薬局東新田店 薬剤師 榊原有美さん:「ずっと薬が不足していて、なかなか入ってこない状況。入荷していない薬に関しては、類似した薬に代えてもらうなど、問い合わせして対応している」

インフルエンザも流行

 新型コロナウイルスが5類に移行し、感染対策が手薄になっている状況の中で感染者が増えている中、県内で咳止め薬が足りなくなっている背景にはもう1つ“理由”が。

画像: インフルエンザも流行

 それは「インフルエンザの流行」です。新型コロナに加えて流行しているのが季節外れのインフルエンザ。県によると県内では26の学校で学年閉鎖や学級閉鎖が相次いでいて、9月の1日当たりの閉鎖施設数としては過去最多だといいます。

 最新のデータ(9月4日~10日)では、定点あたりのインフルエンザ患者数は4.79人で、前の週(2.19人)の2.19倍となっています。

すずらん薬局東新田店 薬剤師 榊原有美さん:「これからますます乾燥する時期になって、コロナやインフルエンザ、あとは風邪の感染者が増えてくるので、薬が入らないというのはとても心配している」

 咳止め薬の不足の原因は全国的な新型コロナとインフルエンザの同時流行。薬の原材料は海外からの輸入が多く、医薬品メーカーの生産体制が強化されない限り、この問題は解消されにくいといいます。

すずらん薬局東新田店 薬剤師 榊原有美さん:「正直、見通しが立たないというのが現状なので、感染しないために、予防ですね。
特に高齢者の方は気をつけてほしい」

「解熱剤の準備が必要」

 一方、県の後藤センター長は新型コロナの再流行やインフルエンザの拡大に備えて、解熱剤の準備も必要だとしています。

画像: 「解熱剤の準備が必要」

後藤幹生センター長(13日):「コロナウイルスであっても、また今再度増えてきているインフルエンザであっても、2~3日は(熱が)出ますので、熱が出るとすごくぐったりしてしまう方は、熱冷まし(解熱剤)があったほうがいいと思います。熱冷まし(解熱剤)はこれから市場に売っている時には買っておいて、家である程度蓄えておくっていうのは必要かなと思います」

 再び拡大を見せている新型コロナやインフルエンザ。自分に合った方法で、準備や対策をしていくことが感染予防につながるかもしれません。