牛乳で割ってもおいしい…静岡生まれのコーラ 製造のきっかけはバスケットボール 味の決め手は… 静岡市
客:「ちょっと飲んだことのないフルーティーなコーラ」
客:「独特な香りがしました。普通のコーラとなんか違う、爽やかな感じ」
実は、静岡で生まれた新しいコーラなんです。その誕生のウラには…
バスケットボールに…病院食。そして、味の決め手は静岡市のレモン? 新たな特産品になるのか、県内で生まれたユニークなコーラを大調査します!
材料は7種のスパイスなど11種類
まず訪れたのは、静岡市清水区の工場。コーラを作っているというので、早速のぞかせてもらうと…。何やら煮込んでいる様子。この作業、とてもコーラを作っているようには見えませんが、一体…。
西尾梓アナウンサー:これは今どんな作業をしている?
R&Oフードカンパニー佐野瑞季さん:「今これはスパイス…シナモンなんですけど、シナモンを煮出したものこしているところ」
西尾アナ:ちなみにこれ今並んでいるけど、同じように何かする?
佐野さん:「シナモンと同じようにこのあと他のスパイスも同じように煮込んで…」
そう、この茶色く濁った液体は、スパイスを煮込んでいたものだったのです。
佐野さん:「これがコーラに入っている材料。スパイスだけでいったらここにある7種類なんですけど、それにオクシズで採れた清沢レモン入っていますね」
材料は7種のスパイスに黒糖やレモンなど11種類にのぼります。
もともとは「薬」だったコーラ
そもそも「コーラ」とは1880年頃にアメリカの薬剤師、ジョン・ペンバートンが植物の「コーラ・ナッツ」などを使い、頭痛薬の一つとして開発したのが始まり(諸説あり)。
その後、糖類、柑橘類、カフェインなどが主な原料となり、大企業の商品によって、世界中で愛される飲み物になりました。
近ごろでは、手作りのものなども登場。それらは「クラフトコーラ」と呼ばれ、人気を集めています。
クラフトコーラは、スパイスなどを煮込んで作ったオリジナルの「コーラシロップ」が大きな特徴で、今では全国に500種類以上。そのおしゃれな見た目から、SNS世代には「映えドリンク」としても大人気です。
こちらで作られていたコーラもその1つだったのです。
クラフトコーラ製造のきっかけは、バスケットボール
誕生秘話はユニークなものでした。こちらが開発した会社。きっかけを聞いてみると…。
西尾アナ:どうしてクラフトコーラを作ろうと思った?
R&Oフードカンパニー 野崎伸弥COO:「ベルテックス静岡ができまして…」
3年前、静岡市に誕生したプロバスケットボールチームの「ベルテックス静岡」。実は野崎さんたちの会社は、病院食を作るのが本業。さらに、ベルテックス静岡の選手たちを食事の面からサポートしているんです。その一環として、新たな商品を作ることに。
野崎さん:「ホーム戦とかでファンの人たちが盛り上がる場面で、シュワっとしたものというのは元気が出るドリンクなんじゃないかという発想ですね。(コーラは)元々薬剤師が作った飲み物なので、我々がせっかく作るのであれば、健康だったりとか、身体にいいものを何か作れないかという話からコーラをつくり始めました」
ベルテックスの試合会場を盛り上げる新しい飲み物として注目したのが、シュワッと爽やかな「コーラ」。さらに、病院やスポーツシーンでの経験を生かした健康志向の商品を目指すことになりました。
半年ほどに及んだ試作期間。唯一無二のコーラにするために欠かせなかったのは味の決め手となるレモンです。
野崎さん:「香りをさらに引き立たせるとか、爽やかにするというのが柑橘の役割なので、柑橘系の選択が非常に重要かなと最初から考えていた。静岡の地のものを使って、この柑橘だったら我々が使えるというものを使いたいと思って…」
決め手はご当地の「清沢レモン」
そこで出会ったのが、清沢レモン。静岡市の山間部「清沢地区」で栽培されていて、強い酸味と香りが特徴です。コーラ作りに使いたいという話に、担当者は…。
NPO法人 宮本佐知子部長:「クラフトコーラというのはその時はよくわからなかったのですが、ぜひ香り・酸味の強いレモンを使いたいとおっしゃったので、お受けした」
清沢地区の住民が、農薬を使わずに育てている清沢レモン。地域に密着したクラフトコーラ作りに親近感を感じたそうです。
Q.クラフトコーラに清沢レモンイメージできた?
宮本さん:「イメージは全然つかなかったけど、クラフトコーラって体にいいスパイスを使って作るというので、子どもたちも安心安全に飲めるということで期待はしていた」
こだわり詰まったコーラシロップ…牛乳で割ってもおいしい
様々なこだわりが詰まったのが、こちらのコーラシロップ。ソーダで割っていただきます。お味は…?
西尾アナ:「すごい!レモンの酸味がすごく強くて、香りも口の中いっぱいに広がりますね。全体の味はまろやかに仕上がっていて、本当に飲みやすいです」
静岡で生まれた新しいコーラ。世界にも羽ばたけるよう「ジャパニーズクラフトコーラ」というビッグな名前が付けられました。
ベルテックス静岡の試合や、様々なイベント会場などに出店。3月からはインターネットでも売り始めています。さらに…。
野崎さん:「牛乳割りだったり、いろんな割り方をSNSなどで発信しているけど、みんなそれをマネしてくれて「このお酒で割るともっと美味しいよ」とか逆に提案をいただいたりとか、コミュニケーションにも繋がっている。
様々な飲み方をSNSで発信したところ、次々と反響が。例えばこちらは、紅茶で割ったもの。
西尾アナ:「全然味が想像つかないんですけど…コーラと和紅茶ですよね。いただきます。うん!紅茶が甘味をぎゅっと引き締めていて、甘いのが苦手な方は紅茶で割るのいいかもしれないですね」
シロップのまま販売できることで、ソーダで割る以外にも楽しみ方が広がっています。
野崎さん:「静岡に全国の方たち、いろんな県の方たちが来たときに静岡のお土産といったらジャパニーズクラフトコーラだよねと言ってもらえるような存在になってもらうのが大きな夢ですね」
コーラに込められた、でっかい夢。果たして静岡の新たな特産になれるのか注目です。