被害は214枚…側溝のふた盗難相次ぐ 背景には鉄価格の高騰か 静岡県
こちらは「グレーチング」と呼ばれる側溝の金属製のふたです。持ち去られたふたの数は5月27日現在、掛川市で60枚、菊川市で43枚、御前崎市で39枚など6つの市であわせて214枚になっています。
高橋諒記者:「こちらには、以前、側溝のふたがありました。周辺をみますと、山間地で人通りが少ない場所となっています」
静岡・掛川市維持管理課 藤原広文係長:「こちらのところは、4月26日にわかりまして、(正方形)こういう形のものも、やはり取られている枚数のなかでは、いっぱいあるかなと思います」
県内で最も被害の件数が多かったのは掛川市。今年3月5日から今月13日までで60枚のふたが盗まれ、被害額はおよそ108万円になるということです。被害は山間部が多く、付近に住宅がなかったり、人通りが少なかったりする所が目立ちます。
こうした被害が相次いで起きている背景には、鉄資材の価格の上昇があると専門家は言います。一般社団法人・日本鉄リサイクル工業会によりますと、鉄鋼製品、原料等はコロナの影響が一段落して製造業の売り上げが戻り、去年の秋頃からリーマンショックのあった2008年の夏頃以来の
高値となっているということです。
このため持ち去りやすい「グレーチング」を鉄スクラップ買い取り業者に持ち込もうとしている可能性があります。こちらの場所では、以前、側溝のふたが両端だけ盗まれ、市が一つおよそ2万円する新しいふたを設置しました。他の場所でも同じように一部だけ持ち去られる被害が多いと言います。
市は側溝に歩行者が落ちたり、車が脱輪したりする危険があるとして、
新しいふたを設置する作業を進めています。
掛川市維持管理課 藤原広文係長:「不審な車や人を見かけましたら、警察や市役所に 一報頂ければありがたいと思います」
警察は窃盗事件として、現場付近の住民に不審者についての聞き取りをするなど捜査を続けています。