旧優生保護法のもとで不妊手術を強いられた女性に対し1650万円の支払いを国に命じる判決 静岡地裁 国の賠償責任を認める判決は全国で4例目
旧優生保護法のもとで不妊手術を強いられた静岡県内の女性が国に損害賠償を求めた裁判で、静岡地裁は国に1650万円の支払いを命じる判決を出しました。
久保円華アナウンサー:
「午後2時半すぎです。今弁護団が出てきました。旗には『4度目の断罪』『静岡も勝訴』と書かれています。『憲法違反』ともあります。静岡地裁は訴えを認める判断を下しました」
県内に住む聴覚障害の女性(82)は、1970年に同意や事前説明なく不妊手術を強制されたとして、国に3300万円の損害賠償などを求めていました。
仮名:宮川辰子さん1940年8月7日生まれ。
24日の判決で静岡地裁の増田吉則裁判長は、旧優生保護法のもとで行われた強制不妊手術は、憲法で保障された幸福追求権を侵害するもので憲法に反するとして、国に1650万円の損害賠償を命じる判決を言い渡しました。
一方、不法行為から20年が過ぎると賠償を求める権利が無くなる「除斥期間」が適用されるかどうかについては、女性が不妊手術を強いられた事実を知ることが出来なかったことを考慮すると損害賠償請求権が消滅したとは言えないとの考えを示し、原告の訴えを認めました。
大橋昭夫弁護団長:
「強制不妊手術によって子を有することができなかった原告の悲しみや悩みを理解したものと評価したいと思います」
旧優生保護法を巡る訴訟で国の賠償責任を認める判決は、先月熊本地裁で勝訴するなど全国で4例目となります。
大橋昭夫弁護団長:
「除斥期間などという、形式的な論理を排斥し、きっぱりと国の優生思想を断罪したことは、今後の各地での裁判に大きな影響を与え、勝訴の流れが一段と加速していくものと思われます」