石川県を襲った震度6強の揺れを体感 改めて考える「住宅の耐震補強」…15万2千戸が耐震化できず 静岡県
5日午後2時42分頃に発生した石川県能登地方を震源とする地震では、珠洲市で
最大震度6強を観測し、死者も1人確認されました。
住宅の倒壊などの被害も出た今回の地震。震度6強とはどのくらいの揺れなのでしょうか。地震のメカニズムや被害想定について学ぶことができる静岡市葵区の静岡県地震防災センターでは、震度1から震度7までの揺れを体験することができます。
林輝彦アナウンサー:「今震度6強の揺れを体感しています。両足で踏ん張って両手で何かつかまっていても転びそうになります。ものすごい揺れでした」
阪神・淡路大震災では死者の多くが家屋倒壊や家具転倒による圧迫死
巨大な地震による住宅倒壊の被害は、これまでも繰り返し起こっています。最大震度7の阪神・淡路大震災では6434人が亡くなり、そのほとんどが家屋の倒壊や家具などの転倒による圧迫死でした。それ以降、法整備などが進み、建物の耐震化が進められてきました。
耐震化した住宅としていない住宅の違いは…
県内でも2018年度までに89.3%の住宅が耐震化されましたが、資金不足などで依然、15万2千戸あまりが耐震化が完了していません。耐震化できていない住宅は強い揺れでどうなってしまうのか。
こちらは、木造2階建て住宅の模型です。耐震補強をしたのが左の模型。していないのが右の模型です。
数回揺らしただけで、耐震補強をしていない右の模型は1階部分から崩れました。一方、耐震補強をした左の模型は揺れは抑えられ、倒壊することなく、しっかりと形を保っています。
静岡県地震防災センター 杉原満さん「こちらの住宅の方が、筋交いがこちらの住宅の倍になっています。このような合板で壁を丈夫にしています」
また屋根を軽くすることで倒壊するリスクを軽減できるということです。
県担当者「家が倒壊したら逃げる間もない」
県の担当者は早めに耐震補強をするよう呼び掛けます。
静岡県建築安全推進課 鈴木貴博課長:「家が倒壊してしまったら、逃げる間もなく亡くなってしまうということにもなるので、まずは家が倒れずに、まずは逃げる時間を確保するという意味でも、やはり住宅の耐震化は重要な取り組みだと思っています」
県は1981年5月以前に建てられた木造住宅を対象に、無料の耐震診断や補助金の助成などを行っています。