斜面は崩れ、大きな岩がいくつも…自治会長「行政を頼らないと」 台風で大きな被害受けた静岡市清水区の山間部は…
清水区の中心市街地から車で北におよそ30分、豊かな自然に囲まれた両河内地区。この映像は過去に撮影したものです。
山の斜面は崩れ、大きな岩がいくつも…
取材班が29日に訪れると、その景色は一変していました。
林輝彦アナウンサー:「大雨の影響で山の斜面が崩れている。緑のフェンスもグニャリと曲がってしまっている。崩れた土砂が道路の片側をふさいで、反対側も同じような状態が見受けられる」
林輝彦アナウンサー:「先ほどの場所から約500m走らせたところ。こちらも同様に山の斜面が崩れてしまっていて、竹や木が崩れてしまっている。作業員が木の幹を切っている姿が確認できる」
集落の近くでは、土砂崩れが多発。現在、車は通れるようになっていましたが、えぐれた斜面が被害の大きさを物語っています。
林輝彦アナウンサー:「両河内地区の興津川の上流部。かなり大きな岩が転がっている。成人男性の胸元あたりまである。この岩がずらっと並んでいる。おそらくこの岩は山の奥のほうから土砂崩れによってここまで流れ着いたと思われる。木などはめちゃくちゃになっている」
道路が崩落、一時孤立状態に
さらに奥に進んでいくと…
林輝彦アナウンサー:「実はここから倒れている木のところまで道でつながっていたが、土砂崩れの影響で道がすべて流されてしまった」
25日午前に両河内の大平エリアと清地エリアへつながる道路が崩落。一時、住民が孤立状態となりましたが、翌日月曜には、災害ヘリですべての住民が救助されたということです。
住民によると、両河内地区では、井戸水や簡易水道の世帯がほとんどで、断水の影響はそれほど受けなかったといいます。また、電気も使えたということです。
深刻な土砂災害や浸水被害
一方で、深刻なのが土砂災害や浸水被害です。
林輝彦アナウンサー:「両河内地区で特に川の氾濫の影響を受けた場所。普段はこの半分の水量、当時は橋のあたりまで水が来て氾濫した。橋の欄干には木がつまっている。その水は住宅まで流れ込んだ。目の前の家は90cmほど水がたまった。そのため一階にあった家財道具などが外に運び出されています。こういった家は奥の方まで続いている」
住民:「裏から水が入ってきた、全部入ってきちゃった。ここから90cmぐらいの高さまで」
1階部分はまるで川のようだったと話します。他の地区に住む職場のスタッフなどが手伝いに訪れ、きょうも復旧作業が続けられていました。
住民:「今回、すごくみんな手伝ってくれたし、ボランティアの人も来てくれて、そういうことがなかったからすごくありがたく感じた。支援の方が水とか配ってくれたり、すごくありがたく感じた」
こちらは両河内地区の交流館。各地から届けられた支援物資が集められています。
林輝彦アナウンサー:「こちらの交流館では台風15号での被害を受けた両河内地区や近隣地区の自治会長が集まり、今後の対応などについて話し合いが行われている」
住民から自治会長らのもとに寄せられた被害件数は、すでに200件以上に上っています。
両河内地区連合自治会長:「被害が出ている、床上浸水している、沢があふれている、というようなものだけで(台風から)2日目の夕方には168件あった。自助共助の段階はもうほぼ過ぎて、いよいよ行政にお願いせざるを得ない状況になっている。例えば水もそうだけど、ということできょうは(話し合いは)5日目くらい。今から市へ行って緊急対応の改めてのお願いをしにいく準備をしていたところ」