成人年齢「18歳」に…140年ぶり改正 親の同意なくスマホ購入やローンも…17歳「ちょっぴり不安」
18歳から「親の同意なし」で契約
成人年齢が見直されることで、一体何が変わるのか。法律の専門家に聞いてみると。
佐野公洋弁護士:「未成年者は基本的に法律で保護されるべき存在なので、自ら契約をすることができない。親の同意を得て契約をして、初めて有効になるという仕組みになっています。その年齢が20歳から18歳に引き下げるので、契約を一人ですることができるようになります」
法律上、これからは18歳になれば「親の同意なしでも、1人で契約ができる」ようになり、スマートフォンの購入やクレジットカード契約、ローンを組むなどといった様々な契約事項が自分で決められるようになります。
佐野公洋弁護士:「仮に(未成年者が)親の承諾なしに契約をした場合は、親はそれを取り消すことができるんですが、それもできなくなります。したがって、18歳から20歳の方への保護は薄い面が出てきます」
他にも、女性の結婚年齢が、男性と同じ18歳に引き上げられるほか、10年有効のパスポートも取得できるようになります。
一方で、変わらないこともあります。
佐野公洋弁護士:「変わらないところの代表例としては、たばこは吸えません。お酒も飲めません。公営ギャンブルに関しても、ギャンブル依存症の恐れがあるので、18歳から20歳はまだ保護の対象ということで、まだギャンブルはできない」
他にも、これまで同様、国民年金への加入は20歳になってから。選挙権や普通自動車免許の取得は18歳以上と変わりません。
「変わること」と「変わらないこと」については、街の人の意見も様々です。
街で聞くと… 17歳「ちょっと怖い」
静岡市50代女性:「やっぱりお金に関わることはちょっとね。(自分の)子どもがもし18歳だったとしたら、やらせられないかな。これから(一人で)できるようになっちゃうのを考えると、できなかった頃の方が良かったかなって、自分が親だとしたらそう感じる」
静岡市民50代男性:「ちょうどうちの息子が来年成人(20歳)なんですね。大学に入るときに、親の同意とか、遠距離だとすごく大変なことばっかり経験したので、(18歳に)変わることに関しては、私は大賛成」
静岡市民80代男性:「自分たちもよく言われたけども、部屋住みの身のくせに何を生意気言うんだ、みたいなことを親から言われてきたんですけどね、やっぱり生計を自分で維持するというか、それが一人前の社会人としての最低限だと俺は思うんだけれども、年じゃないと思うんだよね。そういう意味では」
静岡市民 40代:「女性の結婚可能年齢が18歳に引き上げっていうのは、男女平等っていう部分で、すごく良いのかなと思っていて、今まで男性と女性の結婚できる年齢が違うということが、すごく今の時代、不自然だなと思っていたので、それはすごく良いことだと思う」
来年度から成人の対象となる、現17歳、高校2年生に聞いてみると。
静岡市内 高校2年生 17歳:「自分で自由にできるのは、いいことも増えると思うんですけど、まだ正直、わかってない事も多いから、自分たちだけでなんとかなるってなるのも不安の方が、大きいです。(大人と)同じ感じで契約できちゃうと、なんか変な人とか、もう自分で見極めなきゃいけないから、ちょっと怖いです」
Q.期待と不安、どっちが大きい?
A.「不安。不安のほうが大きい」
大人として背負う、責任の大きさに、まだ心の準備が整っていないようです。
静岡市内 高校2年生 17歳
Q.周りの同級生でこういう話って?
A.「します。成人式が自分たちの代から変わるから、20歳で会うって思ってたら18歳でとか、色々そこが振袖(の準備)とかも、いろいろ聞くから、難しいなあっていうのは話したりはします」
成人式をいつ開催するのかは、各自治体の判断に委ねられていますが、県内では、すべての自治体が、これまで同様20歳での開催を予定しています。
スーパーは「学生アルバイトを雇うときはこれまで通り保護者の署名も」
一方、成人年齢が引き下がることでこんな場所にも影響が。こちらのスーパーでは、学生従業員を雇う際、保護者の同意が必要でした。新年度からは、18歳以上であれば同意は必要なくなりますが、今後の対応について。
ヒバリヤ営業企画課 山岸達也課長:「特に変更ということはないんですけれども、通常から22歳以下、特に学生の方については保護者の署名も必要ということを弊社のほうでやってまいりましたので、その辺は引き続き実施するという形で進めていきます」
Q.すぐに(契約の仕方を)変えてしまうことで、心配というものもある?
A.「急にアルバイトを辞められたりだとかというところに緊急連絡先がないと、やっぱり困るところもありますので、その辺は懸念としては考えております」
万が一のリスクを考え、これまで通り22歳以下の学生に対しては、保護者の同意を得たうえで契約をするということです。
また、アルコール飲料に関しては「成人になってから」ではなく、従来の20歳以上が維持されるため、改めて周知徹底をはかる方針です。
ヒバリヤ営業企画課 山岸達也課長:「お酒のことに関しては、やはり今までずっと表記としては「未成年(20歳以下)は飲酒禁止」という形で、なんとなく刷り込まれてきたので。今回は成人として18歳・19歳の子が買いに来たときに、やはり売らないように、年齢確認をきちっとしましょうと従業員の方に伝えております」