静岡県と熱海市 盛り土を行った前の所有者に行政指導の方針 残る土砂の撤去も
静岡県熱海市で起きた土石流災害に関して、県と熱海市が盛り土を行った前の所有者に対して、残る土砂の撤去を含めた行政指導を行う方針を明らかにしました。
静岡県
難波喬司 副知事:「7月梅雨より前にですねここで何ら工事が行われないというのはないと思っています。4月5月の間にいまの事業者届出者に何か工事をやっていただくというのは非常に厳しいと思いますので。排水対策についてはですね県市が協力して直ちに行う必要があると思っています」
去年7月の、熱海市土石流災害の発生原因調査検証委員会終了後に取材に応じた難波副知事はこのように話し、問題となっている盛り土の前の所有者に対し、残る土砂の撤去を含めた行政指導を行うことを明らかにしました。
その上で県は雨が多くなる梅雨や台風の時期を見越し、6月から9月までの間に何らかの安全対策工事を行い、10月以降に土砂の撤去工事に着手する方針です。ただ土砂の撤去や排水対策工事をするためには、土地所有者の同意が必要となるため実際に着手できるかどうか分らないとしています。
一方、きょうの原因調査検証委員会では前回の委員会で委員から出た意見に対する県の対応状況などが説明されました。また3月をめどに発表するとしていた中間報告書の中で、盛り土に関わった施工業者など6社に対して行われたヒアリング内容が公開されました。この中で盛り土について「2010年7月から施工業者が代わり、盛り土の斜面形状を変えるといった届出とは異なる盛り土が施行された」ことや、「斜面の下側には365日水が染み出しており全体がぐしゃぐしゃで排水不良であった」という証言があったことが明らかにされました。