【スプリンクラー問題】楽器が水浸し… 裾野市長に単独インタビュー 対応めぐり楽団との「見解の相違」鮮明に

静岡県裾野市 
村田悠(はるかぜ)市長(8日):「インタビュー冒頭で申し上げたいことは、今回負傷された楽団員の方がいらっしゃること、それから大切な楽器を損なわれた皆さんに、まずはお見舞いを申し上げたいと思っております」

画像: 【スプリンクラー問題】楽器が水浸し… 裾野市長に単独インタビュー 対応めぐり楽団との「見解の相違」鮮明に

 8日、静岡朝日テレビの単独インタビューに応じた裾野市の村田悠市長。

裾野市 
村田悠市長:「第三者委員会、並びに警察の捜査、並行していきながら、どういうところに原因があったのか、どこに責任があるかを明らかにしていきながら、今後進めていきたいと考えている」

楽団は市の対応を批判

画像1: 楽団は市の対応を批判

9月24日、裾野市民文化センターの大ホールで、突然スプリンクラーが作動し、舞台上にあったオーケストラの楽器が水浸しになりました。

 スプリンクラーが作動したのは公演当日。本番1時間前、午後1時の開場時刻でした。公演は急きょ中止を余儀なくされます。

 楽団によれば、100点以上の楽器が被害を受け、現時点で全容は明らかでないものの、被害額は数億円にのぼるといいます。

シンフォニエッタ静岡 
中原朋哉さん(7日):「弦楽器は特に1000万円を超える楽器もごろごろあるので、その辺をすぐに買い替えるというのはなかなか難しい。管楽器でも100万円~500万円の楽器があるので大半の楽器は買い替えになるだろうという見込みなので、数億円はかかるということでよろしいかと思う」

 7日、楽団は2回目の会見を開き、裾野市の対応を批判しました。

画像2: 楽団は市の対応を批判

シンフォニエッタ静岡 
中原朋哉さん:「市長・自治体としての責務が全く果たされておらず、お粗末極まりないというのが私たちからのコメントです。やましいことがないのであれば、正々堂々と向き合ってくださいということですね」

市は第三者による事故調査委員会を

画像: 市は第三者による事故調査委員会を

原因究明に向けて、裾野市は第三者による事故調査委員会を立ち上げる方針です。
8日に臨時議会が開かれ、調査委員会の設置に関する条例案と弁護士への相談費用など、900万円の補正予算案が可決・成立しました。

浅田基行 市議:「1日でも早くという部分をどのように想定しているのか再度伺います」

村田悠 市長:「これからの調査にもしっかりと協力をして、求められるものはしっかりと出していきながら協力をして1日も早く報告書がいただけるように努力してまいります」

 臨時議会閉会後、村田市長が単独インタビューに応じました。

Q:シンフォニエッタ静岡の話の中で、セキュリティ上の問題、第三者の侵入がもしあったのであれば、市に責任があるという発言もあったが、裾野市の受け止めは?

裾野市 
村田悠 市長:「今のところ私どもが考えているのは、スプリンクラーの機器の原因、どういうところに瑕疵があったかを明らかにしていこうと全力を注いでおりまして、コントローラーの操作パネルのところの防犯カメラとか、まだその追求には至っていない」

 裾野市によると「スプリンクラーの機器に異常や故障などはなかった」といい、現時点で原因は明らかになっていません。

楽団側と市のスタンスには違いが…

画像: 楽団側と市のスタンスには違いが…

今回の問題について、楽団側と市のスタンスには違いがあります。楽団は「施設や設備の老朽化による“事故”」だと主張。一方、裾野市は人為的に作動させられた可能性を視野に原因究明を進めています。

シンフォニエッタ静岡 
中原朋哉さん:「未だに裾野市から直接連絡はない。事故調査委員会について話があったようだが、これまでの裾野市の動きを見る限り、適切な人選ができるのか疑問に感じる。責任逃れをするところが前提になっているのであれば(事故調査委員会を)つくる必要はないのではないか」

Q:(楽団から)これまでの市の対応への不信感から適切な人選ができるのかといった発言もあったが、(事故調査委の)設置が遅いとの指摘など市はどう受け止めている?

裾野市 
村田悠 市長:「初動から警察の捜査を入れさせていただきました。その後、専門業者による報告書、そこでも原因が見つからなかった。その上で第三者委員会を設置させていただいた。第三者委員会の設置がこの時期になったことは決して遅いとは思っておりません。市の対応は適切に行われてきたと市長として考えております」

 楽団は今後、裾野市に対して損害賠償を請求する方針です。裾野市は原因が明確でない現段階で、補償には応じられないとしています。

裾野市 
村田悠市長:「市民の皆さんの大事な税金を預かる立場として、原因究明をしていくことが市長の責務だと考えています。第三者委員会を早急に立ち上げ、協力し原因を究明していくことに全力を尽くしてまいりたいと思っています」