【新型コロナ】感染症専門医「今がピークでは…」その根拠は「実効再生産数」 ただ、油断はできない 静岡県
Q.今ピークが来ていると思う?
浜松医療センター 矢野邦夫医師:「はい、今がピークではないかと思っている。参考の数字として実効再生産数という数字がある。今の感染対策の下で、1人の感染者が何人の方にウイルスを感染させるかという数字で、ピーク時は6くらいあった。ところがだんだん下がってきて、今1.36、もうじき1切れそう。そうすると、感染者が減ってくるので、今はたぶんピークで、これから来週ぐらいになると感染者が減っていくのではないかとは期待している」
矢野医師は、「静岡県は今がピーク」としつつも、油断はできないと語ります。
矢野医師:「1600人というのは、感染者の中で検査をして陽性になった方の数です。ですから、実際の数はこれよりもずっと多い、もしかしたら2倍ぐらいはあるのかもしれない。そういった方々がいるので、今、街中どこを歩いても近くに感染者がいると思って行動した方がいいのではないかなと思う」
さらに、地域医療の崩壊の恐れが指摘される中、コロナ病床の現場でも、変化が起きていました。
Q.浜松医療センターでのこの新型コロナの入院状況の中で、第5波と今回の第6波で決定的に違うところは?
矢野医師:「決定的に違うのは、入院している患者の年齢層です。それから自立しているかどうか、自分の身の回りのことを自分でできるかどうか、それはかなり違う。やはり入院患者の年齢層がかなり上がってきている。そうするとナースコールが呼べないとか、あと認知の問題があるとか、基礎疾患をたくさん持っているとか、いろんなことがあって、例えばトイレも行けないとか、そういうこともあって、かなりマンパワーが必要になる。本当に忙しい状況が続いている状況です」
こうした状況から、県内でも緊急事態宣言を要請すべきという声が上がっています。静岡県に緊急事態宣言は必要か必要でないか、矢野医師の見解は意外なものでした。
矢野医師:「私はですね、必要じゃない、いらないのではないかと思う。と言いますのは、今の流行のピークはおそらく来週ぐらいから減るのではないかと思っているわけですね。いま緊急事態宣言を発出すると、経済的なダメージがかなり大きいですから、今このタイミングではですね、ちょっとその必要なんじゃないかなと。もしやるならもっと前に、もう2週間前とかだったら話は分かるが、今この時点での緊急事態宣言は必要ないと思っています」
(2月4日放送)