静岡市清水区の台風15号の浸水被害を1974年の七夕豪雨の時の被害と比較 静岡大学北村晃寿教授
去年9月の台風15号による静岡市清水区の浸水被害について、専門家が49年前の七夕豪雨のときの地盤などと比べた調査結果を発表しました。
去年9月に発生した台風15号の影響で静岡市清水区では巴川が氾濫しました。
1974年7月に甚大な被害をもたらした七夕豪雨と比べて累積の雨の量は少なく、治水事業も進んでいたにもかかわらず、なぜ住宅が浸水する被害が出たのか。
静岡大学の北村晃寿教授は台風15号と七夕豪雨のときの地盤や潮位を比較した調査結果を発表しました。
北村教授によりますと、プレートの沈み込みや温暖化の影響で、清水区の沿岸はおよそ50年で海面が34.1センチ上昇していて、氾濫が起きやすくなっていたということです。
また、七夕豪雨のときは雨が降った時間は引き潮でしたが、台風15号では満ち潮だったため、浸水しやすく、その分水が引くまでの時間も早かったということです。
浸水の深さについては、多くの場所で台風15号のほうが七夕豪雨よりも64センチから82センチ低かったものの、鳥坂地区と大内地区では7センチから20センチまでしか変わらず、浸水被害には地域差もあったことが分かりました
北村晃寿教授:
「駿河湾東岸は引き続き洪水発生の頻度が年を追うごとに増加することが分かります。未来へ行くと洪水の起きやすい方向に変わっていく」